2018年4月号
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地域×デザイン まちを編みなおすプロジェクト

東京の町工場をヒットメーカーに ビジネスモデルからデザイン

鈴木 紗栄(日本デザイン振興会)

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2012年から東京都主催で始まった「東京ビジネスデザインアワード」。中小企業とデザイナーをマッチングし、商品開発だけにとどまらず販売戦略や知財などを含むビジネス全体をリデザインするプロジェクトだ。多数の成功事例が生まれている。

東京ビジネスデザインアワードから生まれた、ウェアラブルメモ「WEMO」。マッチングからわずか半年で商品化された

東京は商業、サービス、金融、情報発信拠点、そして観光のイメージが強いが、実はものづくり産業も盛んな場所である。特に、大田区や板橋区では金型や切削、精密加工の工場が多く存在し、技に凌ぎを削っている。荒川区、台東区、墨田区、葛飾区などはより分野が細分化され、多様なものづくりの町工場が住宅と隣接するように点在する。また、東京全体では印刷業、紙加工業を営む中小企業が多い。

ものづくり産業の集積地である東京で2012年より行われているのが、東京都主催の「東京ビジネスデザインアワード」だ。

ものづくり系の中小企業の仕事は、大企業からの下請けやOEM生産などが高い割合を占めていた。しかし近年のアジアを始めとする海外メーカーの台頭から、仕事が国外へ流出し、さらには大企業メーカーの商品開発数も少なくなっている中で、そこに頼っていた中小企業のビジネス縮小が始まっている。

その危機的状況に対抗するには、自社の技術やノウハウを活かしたオリジナルの商品が必要、どこにもないオリジナルを作るにはクリエイティブの力が必要、ということから、高い技術やユニークな素材を持つ中小企業と、企画・提案力のあるデザイナーをマッチングし、新しいビジネスを創出するというのが、このアワードの発案された所以である。

「ビジネス」全体をデザイン

ここで、注目しなければならないのが「ビジネスデザイン」という言葉だ。自社の特殊技術を活かしたかっこいい商品を作ってそれで終わりでは、ただ在庫の山ができてしまうだけだ。商品企画という入口から、販売戦略という出口まで、デザイナーが設計しビジネス提案をするのがこのアワードの特徴だ。企業の技術の良さを引き出しながら、狙う市場とターゲットまでを提案する。毎年、10組程度のマッチングを実施しているが、これまでの6年間の実施で10件以上の商品実現化を果たしている。

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