音楽や動画、ダンスで楽しくPR 「伝える手法」としての有効性

エンターテイメント業界で唯一、自治体協業専門の部署を持つポニーキャニオンの村多正俊氏をナビゲーターに、千葉県習志野市、東京都品川区からゲストを招き、行政×エンタメの可能性を探る。

まちのPRに関して活発な意見交換がなされた。左から、品川区広報広聴課の中元課長、習志野市製作経営部まちづくり広報監の月村氏、ポニーキャニオン経営戦略Div.エリア・アライアンス部部長 地域共業ワーキング・チーム座長の村多氏。

エンターテイメントで地域を元気に

音楽、アニメ、映画・映像、書籍、イベントなどの事業領域を持つエンターテイメント企業、ポニーキャニオン。業界で唯一、自治体協業に特化した組織を持ち、エンターテイメントの力で地域を活性化する取り組みに力を入れている。

「シビックプライドとは、"関わりのあるまちに愛着・誇りを持つこと。それが人々に行動を促し、まちの活性化や持続性を生み出すこと"だと考えます」と村多氏。

佐賀県との協業では、幕末・佐賀藩十代藩主、鍋島直正の功績を"今を生きる世代"に認知浸透させる事業として『The SAGA Continues...』を実施。県内外の若い世代をターゲットに、人気のラップを用いた音楽主体のコンテンツを制作、拡散させた。

また、今回のサミット中に、品川区制70周年のPR事業で制作した「Promise~シナガワにきっと」を公開。交流人口や移住の増加、区民のシビックプライドの機運醸成を目的に、300人を超える区民が参加し、オリジナルの楽曲とダンスで品川の魅力を表現するPR動画となっている。

品川区の広報広聴事業やシティプロモーション事業を統括する、広報広聴課の中元康子課長は、「既存の行政広報にはない切り口での発信が可能なこと、区民が参加することで発信の主役になれること、幅広い世代へのアプローチが可能なことなどが、エンターテイメントを活用した広報事業に力を入れる理由です」と話した。

"伝わる手法"としての有効性

村多氏と同じくポニーキャニオン出身で、現在、習志野市のまちづくり広報監を勤める月村尚也氏。広報監になって最初にやったことは、「シティセールスコンセプトBOOK」を作ることだったという。

「シビックプライドとは"自分のまちは良いまちだ"と思うこと。まずは、まちの魅力に気づいてもらう必要があります」(月村氏)。コンセプトBOOKには写真を多用、図解を駆使し、今後のシティセールス、シティプロモーションについて、自治体内で共有し理解を深めることから始めた。

さらに、市民へ情報を発信する際の表現力を上げる取り組みにも力を入れる。「"伝わる"ということを考えた場合、読んでみたくなる、手にとってみたくなる発信が重要です。常に受手をイメージしたコンテンツを作っていく必要があります(月村氏)。

役所の職員たちが市民のために展開しているサービスは、伝わらなければ意味がない。親しみやすく、全世代に対し訴求力の高いエンターテイメントは、地域におけるシビックプライドの機運の醸成と相性がいい。

「我々のノウハウやリソース、ネットワークと自治体や地域団体を掛け合わせることで、今までにない新しい価値を生み出していきたい」と、ポニーキャニオンの村多氏は語った。これからも同社のアクションには要注目だ。

 

お問い合わせ

 

株式会社ポニーキャニオン
地域共業ワーキング・チーム
Tel:03-5521-8009 (9:30 ~ 18:00)
mail:local@ponycanyon.co.jp
URL:http://local.ponycanyon.co.jp/

この記事に関するお問い合わせは以下のフォームより送信してください。