2017年度グッドデザイン賞に見る 地域×デザインの新潮流

応募数がこの30年来で最多となった、2017年度のグッドデザイン賞。東日本大震災被災地での朝市再生、障がい者福祉のまちづくり、バル街イベントなど優れた「地域×デザイン」プロジェクトが受賞している。注目すべき事例を紹介する。

「コトのデザイン」の応募が増加

2017年度のグッドデザイン賞が10月4日に発表された。今年度は1985年以降で最多となる4,495件の応募があり、その中から審査を経て1,403件が受賞した。国内だけでなく海外、とくにアジア諸国からの応募も急増している。

1957年に創設されたグッドデザイン賞は、もともと日本から海外への模倣品輸出防止のためにできた制度だが、今ではその意味や役割も大きく変わり、生産者あるいは提供者とユーザーを結ぶコミュニケーションツールとなっている。

審査の分野もプロダクトデザインから建築・環境デザイン、WEBやメディアなどのコミュニケーションデザイン、ビジネスの仕組みや活動のデザインまで、あらゆる物事のデザインを対象とするようになった。

近年の応募の傾向としては、海外はアジア企業による工業デザインの応募が増加し、国内の応募については形の見えないデザイン、いわゆる「コト」のデザインの応募が増えている。本連載も「地域×デザイン」と題し、地域の課題に対してデザインで解決をしようとしているプロジェクトを紹介しているが、今回は最新のグッドデザイン賞受賞からいくつかピックアップしたい。

ゆりあげ港朝市

福祉のまちづくりやバル街など
優れた地域プロジェクトが受賞

まず、ベスト100に選ばれた対象から「ゆりあげ港朝市」(事業主体:ゆりあげ港朝市協同組合)。東日本大震災によって甚大な被害を受けた宮城県名取市閖上(ゆりあげ)地区で30年以上にわたり地域の人々に愛されてきた浜辺のマーケットの復活である。被災から2週間で暫定的に再開、1年後に仮設で開催、2年半後の2013年末には完全なグランドオープンと、市民主体でソフトとハード両面を段階的に復興させてきた問題解決のプロセスが評価された。

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