三芳町×モリサワ イベントレポート 広報が変わればまちが変わる
広報が変われば住民が変わり、まちが変わる――。全国ナンバーワンの広報紙に輝いた「広報みよし」を制作する三芳町の佐久間氏は、広報活動はまちづくりに直結すると述べる。
住民目線の広報紙改革
全国広報コンクールで内閣総理大臣賞に輝いた、埼玉県三芳町の「広報みよし」。制作を担当する三芳町の佐久間智之氏は、マンションのゴミ箱に捨てられていた広報紙を見て「読まれない広報紙は税金の無駄」だと一念発起し、写真も編集も未経験ながら、町長に日本一の広報紙をつくることを約束、11年に広報担当に着任した。
「まずは住民に手に取り開いてもらうために、大きな写真を多用するなどのビジュアルブランディングを行いました。そして、徹底した『住民目線』で、お役所言葉はやめる、読み応えのある旬な特集を掲載する、などの工夫をしました」
デザインや写真、編集を独学で習得し、印刷以外の作業を一人で担当することで、フルカラー化したにも関わらず制作費を以前の半分に圧縮した。
また、若い読者を意識し、QRコードやAR(拡張現実)を活用したクロスメディア化を進めている。
「スマホを誌面の中のARに対応した写真にかざすと動画が流れます。たとえば、ベビーマッサージの講習会を告知した記事では、講習会の様子が動画で見られるだけでなく、動画をタップすると参加の申し込み画面に飛ぶ仕組みになっています」
佐久間氏は三芳町に移住して10年ほどだが、「誰よりも三芳町の魅力を知っている」と自負する。都心から25分と「東京から一番近い町」でありながらホタルが生息するという情報を掲載したところ、クロスメディア化も奏功し、町内外から前年の約2倍の誘客に成功した。
多言語化で世界に魅力を発信
2015年からは、自治体では初めてとなる、広報紙の5言語化(当時)に取り組んでいる。その際に導入したのが、モリサワが開発した多言語対応の情報発信ツール「MCCatalog+」だ。これは紙の冊子データと自動翻訳エンジンを連携させて、日本語、英語、中国語簡体字、中国語繁体字、韓国語、タイ語の6言語で、簡単にデジタルブックを作成できるツール。電子化した情報は、無料のデジタルブックビューア「Catalog Pocket(カタポケ)」上に配信され、世界中に発信できる。
成果は着実に表れている。三芳町広報大使の吉澤ひとみさん(モーニング娘。OG)と大使アシスタントの金澤朋子さん(Juice=Juice)のファンから冊子の取り寄せ依頼が増加。また、2人の外国人のファンからFacebookの「いいね!」が増え、二人が所属するハロープロジェクトのイベントに参加した際は、三芳町のブースに外国人の方が訪れた。
佐久間氏は、「広報はラブレターと同じです。どんな地域にも磨けば輝くダイヤの原石がたくさんあります。地域の“当たり前”を磨き、住民や外部に伝え、まちに「恋」してもらうことが大切」と、自治体の広報活動はまちづくりに直結すると強調した。
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- 株式会社モリサワ
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