多世代コミュニティをいかに構築するか 「地域包括ケア」の最前線
高齢者がたとえ要介護状態になっても、住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援を地域一体で提供する「地域包括ケアシステム」。全国の取り組み事例から、地域包括ケアシステム構築のポイントを探る。
団塊世代が後期高齢者を迎える2025年、75歳以上の人口は2179万人と全人口の18.1%に達する見込みだ。このような時代に、高齢者の子どもなど「元気な世代が介護する」ケアモデルは通用しない。「高齢者本人が元気で自立し、もし弱っても地域社会で支え続ける」ケアシステムが必要となる。それこそが『地域包括ケアシステム』だ。
地域包括ケアシステムは、高齢者が重度の要介護状態となっても、可能な限り住み慣れた地域で、必要なサービスを受けながら自分らしい暮らしを続けられるよう、日常生活圏内(30分内に駆けつけられる圏域)で住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体で提供する体制のこと。地域社会を「ひとつの施設・病院」に変えるための取り組みとも言える。
地域包括ケアシステムの実現に向けて、2014年6月には19の関連法案が一斉に改正され、2015年4月には「第6期介護保険事業計画」が始動。全国の自治体には、2025年までの地域包括ケアシステム体制構築に向けた中長期的なロードマップ策定が求められるようになった。
在宅医療のための体制構築
地域包括ケアシステムの概念図
地域包括ケアシステムの構築で、重要なカギとなるのは言うまでもなく「医療」である。現在、亡くなる人の85%は病院で最期を迎え、「病院完結型の医療」が主流であるが、超高齢化社会が訪れれば、病院がパンクするのは目に見えている。
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