大豆ミートの現状と展望 マルコメと日本製鋼所が次世代食品を語る
(※本記事は「食品新聞」に2025年9月22日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)
健康志向が高まり、プラントベースフード(PBF)にも関心が集まる中、2023年9月に大豆ミートメーカー5社が発起人となり、「日本大豆ミート協会」が設立された。
日本の大豆ミート消費量は、欧米に比べてまだ少ないが、スーパーの店頭やレストランチェーン及びバーガーチェーンでは大豆ミートを使ったメニューが固定層に支持され、次世代型の食品として次第に認知されてきた。
そこで大豆ミート業界トップのマルコメの鈴木淳哉専任課長(研究開発本部開発部海外開発課兼商品開発課)と、新規会員として8月に協会の正会員となった大豆ミート製造機を展開する日本製鋼所(JSW)の池田雄輔営業所長(樹脂機械事業部東日本営業所)、梅田光秀氏(イノベーションマネジメント本部先端技術研究所成形加工グループ)に、現状の市場認識と将来性等について対談形式で語ってもらった。
マーケットは「踊り場」状態
──両社の大豆ミートへの取組み概要を教えて下さい。
マルコメ BtoC事業としては2015年に「大豆のお肉」シリーズを発売し、「ダイズラボ」ブランドとして多様な製品展開を開始。「大豆のお肉」の可能性をさまざまなカテゴリーで展開することで「大豆」の可能性を提案し、消費者にアプローチしてきました。また、企業に大豆ミートの素材を加工用原料として提供するBtoB事業も展開しています。
JSW 当社は大豆ミート製造工程で必要な食品製造用エクストルーダー(押出機)を製造する会社で、エクストルーダーは主にプラスチック用途として使われてきたが、87年に大豆ミートを含めた食品用を開始。25年8月に日本大豆ミート協会に正会員として入会しました。
──現在の大豆ミート市場の認識は。
マルコメ 最近の市場は、踊り場的な状況が続いています。市場調査によると、35%弱の生活者は「大豆ミートを食べる必要はない」と捉え、「おいしくない」「パサパサして、食感が肉に近くない」などの意見が上位を占め、これらが阻害要因となっているようです。日本は豆腐や納豆、ゆば、がんもどきなど大豆由来の伝統食品と深いかかわりがあり、大豆ミートにはコンサバティブなイメージがあるためでしょう。
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