南アジア・東南アジアの猛暑 データで分かる、今後起こること

(※本記事は『THE CONVERSATION』に2024年5月17日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

過去類を見ない猛暑で経済、社会、健康などに影響

2024年4月以降、パキスタンからフィリピンにかけての南アジア・東南アジアにわたる広範囲なエリアで猛暑が続いている。世界で最も人口密度の高い地域の一つであるこれらの地域での一連の熱波は、人々の健康や福祉から経済、教育に至るまで、あらゆるものに影響を及ぼしている

インド、バングラデシュ、フィリピンなどの学校では、高い外気温による深刻な健康リスクを懸念し、多くの生徒が数日間自宅待機を指示されており、先日行われたインドの選挙でも熱波が大きな問題となった。バングラデシュでは、4月30日に気温が43.8度に達し、全ての小学校を数週間閉鎖した

気温が38度を超えると、人間の体温(約37度)を超え、熱疲労や熱中症のリスクが劇的に増加する。さらに湿度が高まれば汗が蒸発しにくくなり、人体に追加の熱ストレスを与えるためリスクはさらに高まる。

そのため、熱帯地域での猛暑は、同じ気温の砂漠よりも不快で危険なものとなる。

4月と5月にかけて、南アジア・東南アジアでは数千万の人々がこのような健康に脅威を与える状況にさらされており、労働生産性にも大きな影響を及ぼしている。

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