地域と共生し続ける尼崎信用金庫 万博を契機に広がるSDGsと共創の取り組み
(※本記事は経済産業省近畿経済産業局が運営する「公式Note」に2026年4月17日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げて開催された大阪・関西万博。そこに集まったのは、SDGsの目標を現実に変える技術とアイデアの数々でした。
医療、環境、食、エネルギー ──私たちの生活を変える革新は、どこまで進んでいるのでしょうか。そう遠くない未来を少しのぞいてみませんか。
近畿経済産業局では、万博を契機にSDGsに取り組む企業の事例を取材し紹介しています。今回は、地域の企業とともに歩み、地域の未来づくりを支える取り組みを進めている「尼崎信用金庫(あましん)」をご紹介します。
今回お話を伺ったのは、サスティナブル推進部の部長 岡田 博行さん、次長 小谷 紘輝さん、部長代理 笠井 慧介さんです。
SDGsにつながる、あましんの地域環境活動
1921(大正10)年の創業以来、兵庫県尼崎市を拠点に「地域社会への貢献」を経営理念に掲げてきたあましん。阪神エリアに88店舗を構える地域金融機関として、企業支援だけでなく、地域の環境保全や社会課題の解決にも力を注いできました。
その中でも長年続く代表的な取り組みが、「あましん緑のプロジェクト」です。このプロジェクトがスタートしたのは、SDGsの国連採択(2015年)よりも前の2011年。尼崎市沿岸部の「尼崎21世紀の森づくり」に参画し、地域の環境保全に関する活動に早くから取り組んできました。
取り組みの柱となったのが、尼崎の森中央緑地における苗木の植樹活動。「尼崎21世紀の森づくり」は、尼崎市の臨海工業地域に100年かけて緑豊かな環境をつくることを目指した計画であり、その支援活動のスタートとして「あましん植樹祭」を開催。このプロジェクトでは10年かけて約22,000本の植樹活動を行ってきました。
“地域の発展なくして、わたしたちの発展もない。”
こうした想いのもと、SDGsが注目される以前から、地道に環境保全の取り組みを進めてきました。
“AG6”で広がる地域連携の枠組み
あましんは、2010年に「ECO未来都市・尼崎」共同宣言に参画し、AG6(尼崎市、尼崎商工会議所、尼崎経営者協会、(協)尼崎工業会、(公益)尼崎地域産業活性化機構、尼崎信用金庫)の一員として、地域全体で環境改善や気候変動対策に関する取り組みを連携して進めています。
その背景には、尼崎エリアが工業用水や排気ガスなど公害問題を長年抱えてきた歴史があります。
「この地域の課題を、自分たちで変えていかなければならない」。こうした思いのもと、各機関が連携して取り組む体制が生まれました。
地域全体での活動が続くなか、社会の関心はSDGs・気候変動へと広がり、AG6が持つ“地域を横串でつなぐ力”を活かした取り組みも増えていきました。現在では、産業コミュニティづくり、地域サプライチェーンを巻き込んだGX(グリーントランスフォーメーション)の促進など、活動は多岐にわたります。
これらの取り組みが評価され、2023年度には環境省のモデル事業に採択されました。
「脱炭素オープンファクトリー」への挑戦
企業との対話を続けるうちに、地域のものづくり企業の多くがすでに脱炭素に取り組んでいる一方で、外部へ発信する場が少ないことに気づいたあましん。そこで立ち上げたのが、脱炭素の取り組みを“見せる”場となる「あまがさきエリア モノづくりパビリオン」でした(2023年)。
会場では、脱炭素の取り組みをパネルや映像で展示し、同時に11社によるオープンファクトリー(工場公開)も実施しました。
この取り組みは、企業が自社の脱炭素の取り組みをPRできる場を提供することが大きな目的でした。その結果、企業の採用活動にも良い影響が生まれ、来場者や他企業との交流を通じて新たなつながりやイノベーションの芽も見られるようになったのです。
最近では、参加企業が主体的に企画づくりに関わる場面も増え、取り組みが“自走”し始めていることを実感しているといいます。
また、脱炭素の取り組みを広く企業に波及させるため、2024年には「脱炭素宣言・認定制度」を創設。現在は170社が登録しています。
地域に根ざしたSDGsイベント「あまトラフェス」
2025年からは、より地域に寄り添ったSDGsの取組として、「あまトラフェス」を開催しています。これは、環境省「脱炭素先行地域」認定事業で整備された「ゼロカーボンベースボールパーク」で開催するもので、ものづくり企業や学生、地域の飲食店などがSDGsに関連したブースやアクティビティを出展し、地域の子供たちも楽しめるイベントです。
2日間で約19,000人が来場する大規模イベントとなり、地域のSDGsの可視化に大きく貢献しました。
積み重ねた取り組みを、万博の舞台へ
あましんでは、環境改善に寄与する技術、製品、取り組みやアイデアを表彰する「あましんグリーンプレミアム」という取り組みを2011年から実施しています。
表彰だけではなく、優れた取り組みを次のステージへつなげたいという思いから、2025年大阪・関西万博への参画を決めました。TEAM EXPOパビリオンでは、グリーンプレミアムの受賞企業11社・団体とともに展示やステージでのピッチを実施し、来場者との新たなつながりを創出しました。
さらに、「EXPO酒場」(※)の開催など、万博関連の様々なイベントを通じて、これまでに接点のなかった企業や団体との交流も生まれています。
万博という場がなければ実現しなかった新しい接点の創出が大きな成果となっています。
※EXPO酒場とは 大阪・関西万博をきっかけに、地域の人や来訪者、万博関係者が交流するための“ポップアップ型の酒場プロジェクト。
今後の展望―万博の先にある、新しい共創へ
大阪・関西万博をきっかけに広がったつながりを活かすため、あましんは次なる取り組みや事業の企画を進めています。また、大企業との接点が生まれたことで、その関係が地域の中小企業へ広がる可能性も期待しているといいます。
“共創”というキーワードのもと、地域の多様な主体がそれぞれの課題に向き合いながら連携するーこうした長年の積み重ねが、万博という特別な舞台で新たなつながりを生み出しました。
ここで生まれたつながりを新たなスタートとして、尼崎信用金庫はこれからも地域の未来に寄り添い、共に創りあげる社会を目指します。
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- 近畿経済産業局 公式note