生成AI活用から業務改善まで 全国で始動した生産性向上支援センターの役割
(※本記事は「関東経済産業局 公式note」に2026年6月1日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

はじめに
人手不足の深刻化や労働人口の減少が進む中、地域の中小企業・小規模事業者にとって、「今のやり方をどう変えるか」「限られた人員でどう生産性を高めるか」は、避けて通れない課題となっています。
経済産業省及び当局では、こうした課題に対応するため、現場に寄り添いながら生産性向上を後押しする支援を進めています。
令和8年4月22日(水)の定例プレス・ブリーフィングで、よろず支援拠点内に新たに設置した「生産性向上支援センター」について説明しましたので、その時の内容をご紹介します。
この記事で分かること
- 生産性向上支援センターが設置された背景と目的
- どのような支援を、どのように受けられるのか
- 補助金制度との関係や、今後の活用のポイント
生産性向上支援センター設置の背景
当局が今回設置した生産性向上支援センターは、令和8年4月1日から、全国47都道府県のよろず支援拠点内に設置されました。
背景にあるのは、地域で慢性的に続く人手不足と、将来的な労働人口の減少です。製造業・非製造業を問わず、多くの中小企業・小規模事業者が、限られた人材で事業を継続・成長させていく必要に迫られています。
また、生産性向上は、経済全体の成長と賃上げを進めていく上でも重要なテーマです。本センターは、政府全体の賃上げ推進に向けた5か年計画を踏まえ、中小企業の生産性向上を具体的に支援する拠点として位置づけています。
センターの特徴は「現場に入る」支援
生産性向上支援センターの最大の特徴は、机上のアドバイスにとどまらず、現場に入り、事業者と一緒に考える「伴走型支援」である点です。
各センターには「生産性向上支援サポーター」と呼ばれる専門家を配置しています。サポーターは、企業OB、デジタル分野の専門家、中小企業診断士など、支援対象となる業種や分野で豊富な経験を有する人材で構成されています。
サポーターは、一社当たり無料で複数回、現場を訪問します。
「相談に行く時間が取れない」「現場を見てもらわないと課題が伝わらない」といった声にも応えるため、何度でも現場に伺い、状況を確認しながら支援を行います。
こんな悩みを持つ事業者に
プレス・ブリーフィングでは、センターが想定している支援対象の悩みについても紹介しました。
例えば、
- 残業が減らず、人がなかなか定着しない
- 本当は見直したいが、手作業が当たり前になっている
- 日々の業務に追われ、改善に手を付けられない
こうした悩みは、特定の業種に限らず、多くの中小企業に共通するものです。生産性向上支援センターでは、こうした課題に対し、現場ごとの状況に応じて「次に何をすべきか」を一緒に整理していきます。
支援の中身と進め方
支援は、単発の助言ではなく、段階的に進めていきます。
まずは現場を訪問し、業務の流れや作業内容を確認した上で、課題を整理します。その上で、「生産性向上取組計画書」の策定を後押しします。
支援内容の例としては、
- 作業環境の整備
- ムリムラムダの削減
- 業務プロセスの見直しや標準化
- デジタル化や自動化の検討
- 生成AIなど新技術の活用検討
などが挙げられます。
重要なのは、いきなり高度な仕組みを導入するのではなく、「今の現場に合った一歩」を一緒に考える点です。
複数回の支援は、合計でおおむね10回程度を想定しています。
補助金制度との関係
生産性向上支援センターの支援を受け、「生産性向上取組計画書」を作成した事業者については、今後の補助金制度との連動も予定しています。
具体的には、令和8年夏頃以降に予定されている「省力化投資補助金(一般枠)」の採択審査において、加点措置を受けられる仕組みを検討しています。
日々の改善と、将来の投資の両方を見据えた取り組みとして、センターを活用いただくことを想定しています。
全国47都道府県で利用可能
生産性向上支援センターは、全国47都道府県すべてに設置されています。各都道府県のよろず支援拠点内に相談窓口を設けており、地域に根ざした支援を行っています。
詳細な所在地や連絡先は、各拠点の案内をご確認ください。
おわりに
当局としては、生産性向上支援センターを通じて、中小企業・小規模事業者が抱える現場課題に真正面から向き合い、無理なく、しかし着実に生産性向上を進めていただくことを目指しています。
「何から手を付ければいいか分からない」
「改善したいが余裕がない」
そんな段階からでも構いません。現場に寄り添い、次の一歩を一緒に考える支援として、本センターをぜひ活用していただければと思います。
元記事へのリンクはこちら。
- 関東経済産業局 公式note