持続可能な物流へ 経済産業省が進める物流効率化政策とサプライチェーン改革の現在地

(※本記事は「関東経済産業局 公式note」に2026年5月22日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

持続可能な物流をどう支えるか。経済産業省が進める物流政策の現在地

資源制約や人手不足が顕在化する中、地域や企業の現場においても「限られた資源で物流をどう支えるか」という視点が重要になっています。 経済産業省及び関東経済産業局では、ドライバー不足や荷待ち時間の長期化といった構造的課題を踏まえ、持続可能な物流の実現に向けた制度整備や企業支援、地域連携に取り組んでいます。令和8年4月22日(水)の定例プレス・ブリーフィングで、関東経済産業局における物流効率化の取り組みについて説明しましたので、その時の内容をご紹介します。

この記事で分かること

  • 物流を取り巻く現状と、地域経済への影響
  • 改正物流効率化法のポイントと、企業に求められる対応
  • 関東地域で進めている具体的な物流効率化の取り組み

物流の2024年問題は「構造的課題」

物流分野では、いわゆる「2024年問題」が大きく取り上げられてきましたが、これは一過性の問題ではありません。働き方改革に伴う時間外労働規制を契機として、ドライバー不足、多重下請け構造、長い荷待ち・荷役時間など、以前から存在していた構造的課題が顕在化したものと認識しています。

試算では、こうした状況を放置した場合、2030年には輸送能力が約34%不足するとされています。現在が2026年であることを踏まえると、持続可能な物流の実現に向けた取り組みを継続して実施していくことが重要です。

地域経済へのインパクト

広域関東圏においても、特に地方部でドライバー不足の深刻化が懸念されています。ドライバーが不足すると、直ちに物流が止まるわけではありませんが、地方拠点からの輸送が難しくなる、運びたいタイミングで運べなくなるといった事態が想定されます。

また、輸送能力が供給制約となることで輸送費が上昇し、その影響が物流費全体に波及した場合、企業の営業利益が大きく押し下げられる可能性も指摘されています。そのため、当局としても、地域経済を下支えする重要な基盤である物流の効率化は関係省庁と連携しながら取り組むべき重要課題と捉えています。

改正物流効率化法による規制的措置

物流効率化に向けては、規制と支援の両面から取り組んでいます。

まず規制面では、改正物流効率化法により、すべての荷主に対して、積載効率の向上や荷待ち・荷役時間の短縮などに取り組む努力義務が課されています。令和8年4月からは、年間取扱貨物重量が9万トン以上の荷主を「特定荷主」として指定し、中長期計画の作成や定期報告のほか、物流統括管理者(CLO)の選任が義務付けられました。

企業内に物流全体を経営レベルで統括する責任者を置くことで、継続的な効率化を進めていただくことを狙いとしています。なお、特定荷主の指定に係る届出は令和8年5月末が期限となっており、当局としても制度の周知に力を入れています。

物流効率化法リーフレット

物流効率化法リーフレット

中小企業向けの支援策

改正法により、中小企業を含むすべての荷主に物流効率化への対応が求められる中、経済産業省では補助金などの支援策も用意しています。

デジタル化・AI導入補助金中小企業省力化投資補助金をはじめ、物流DXや省人化に資する設備投資を後押しする制度を活用いただくことで、現場の負担軽減と効率化を同時に進めていただきたいと考えています。

関東経済産業局独自の取り組み

当局独自の取り組みとしては、新潟県と連携した物流マッチングイベントの開催があります。昨年度は、共同配送や帰り荷の確保を目的に、企業同士が直接つながる場を設け、業種や業界を超えた荷主、物流事業者の交流を促しました。

物流マッチングイベント「ロジマチ!Niigata」

マッチングイベント当日の様子
マッチングイベント当日の様子

また、「フィジカルインターネットセミナー in KANTO ~ともに考える持続可能な物流のあり方~」と題して物流効率化にかかる理解促進を目的としたセミナーも開催し、物流の企業間連携や標準化に向けた機運醸成を進めています。

広域関東圏では、東京都を中心に、埼玉県、千葉県、神奈川県との間で貨物の流動が非常に大きくなっています。物流施設も、首都圏の外縁部を中心に集積が進んでおり、特に埼玉県は東北や信越方面への結節点として重要な役割を果たしていると考えられます。

こうした地域特性を踏まえながら、企業間連携などを通じて荷主の物流効率化が進んでいくための環境づくりを進め、持続可能な物流の実現に向けた取り組みを引き続き推進していきます。

参考情報

流通/物流(経済産業省関東経済産業局ホームページ)
「物流効率化法」理解促進ポータルサイト(国土交通省の運営サイトへ)
【荷主向け】簡潔にチェック!物流効率化法(経済産業省のサイトへ)

元記事へのリンクはこちら

関東経済産業局 公式note