出生、婚姻とも前年同月比で減少 令和8年5月分人口動態統計速報 厚労省

厚生労働省は2026年7月24日、「人口動態統計速報(令和8年5月分)」を公表した。同省政策統括官付参事官付人口動態・保健社会統計室がまとめたもので、5月の出生数は5万9663人となり、前年同月の6万718人から1055人、1.7%減少した。

Photo by soraneko/ Adobe Stock

婚姻件数も4万1169組となり、前年同月の4万3257組から2088組、4.8%減少している。もっとも婚姻件数については、1月から5月までの累計や直近1年間の累計で見ると前年を上回っており、単月の動きと年間を通じた基調とで異なる様相を見せている。

出生数5.9万人、前年同月比1.7%減

2026年の出生数を月別に見ると、1月5万8694人、2月5万761人、3月5万3844人、4月5万9260人、5月5万9663人という順で推移した。人口1000人あたりの出生率を年換算した数値は5.7となり、前年同月の5.8から0.1ポイント下がっている。

5月単月は前年同月の6万718人を下回ったが、2026年1月から5月までの累計では28万2222人となり、前年同期の28万979人を1243人、0.4%上回った。この累計期間の年換算出生率は5.6で、前年同期の5.5をわずかに上回っている。直近1年間(2025年6月〜2026年5月)の累計では70万7052人となり、前年同期間の70万9893人から2841人、0.4%減少した。単月・累計・直近1年間の3つの指標のうち2つが減少しており、出生数は緩やかな減少傾向にあると言える。

死亡減少幅が出生を上回る

死亡数は5月に12万2385人となり、前年同月の12万4572人から2187人、1.8%減少した。年換算死亡率は11.7で、前年同月の11.9から低下している。出生数の減少率をわずかに上回る減少幅となったため、出生から死亡を差し引いた自然増減はマイナス6万2722人となり、前年同月のマイナス6万3854人から1132人分縮小した。

2026年1月から5月までの累計死亡数は66万4510人で、前年同期の72万1038人から5万6528人、7.8%減少している。この結果、自然増減の累計はマイナス38万2288人となり、前年同期のマイナス44万59人から5万7771人縮小した。人口の自然減少そのものは続いているが、そのペースはごくわずかに和らいでいる。

婚姻は単月減少も累計では増加

婚姻件数は5月単月で4万1169組となり、前年同月の4万3257組から2088組、4.8%減少した。年換算婚姻率は3.9で、前年同月の4.1を下回っている。しかし2026年1月から5月までの累計では20万6971組となり、前年同期の20万6142組を829組、0.4%上回った。さらに直近1年間の累計では50万6485組となり、前年同期間の49万791組から1万5694組、3.2%増加している。単月では減少したものの、累計・直近1年間ではいずれも増加しており、婚姻件数は年間ベースで見れば増加基調にあると言える。

離婚件数は5月単月で1万3449組となり、前年同月の1万4407組から958組、6.6%減少した。1月から5月までの累計では7万5656組となり、前年同期の7万8870組から3214組、4.1%減っている。直近1年間の累計でも17万9755組となり、前年同期間の18万5365組から5610組、3.0%減少した。離婚件数は単月・累計・直近1年間のいずれの指標でも前年を下回っており、減少傾向が明確になっている。

死産数は5月に1318胎となり、前年同月の1392胎から74胎、5.3%減少した。1月から5月までの累計は6700胎で、前年同期の6763胎から63胎、0.9%減少している。

自然減少、直近1年で緩和傾向

過去1年間(2025年6月〜2026年5月)の自然増減はマイナス84万2074人となり、前年同期間のマイナス93万5641人と比べて9万3567人縮小した。月ごとの推移を追うと、直近1年間の自然増減は2026年1月時点のマイナス87万2049人から、2月マイナス86万1684人、3月マイナス85万2894人、4月マイナス84万3206人、5月マイナス84万2074人という順で、減少幅が着実に縮んでいることが分かる。

死亡数の減少については、令和7年(暦年、2025年1〜12月)の死亡数が158万9489人となり、前年の160万5378人から1万5889人減少し、5年ぶりに前年を下回ったという厚生労働省の公式記載がある。ただしこの年計は2025年1月から12月までの集計であり、今回取り上げた「直近1年間(2025年6月〜2026年5月)」とは対象期間が異なる。また厚生労働省の公表資料には、死亡数減少や自然減少緩和の要因についての分析は示されておらず、その背景は今回の資料からは明らかになっていない。人口減少に歯止めがかかったわけではないが、そのペースは緩やかになってきているといえる。

都道府県別出生数は東京都が最多

都道府県別の出生数は、東京都が8240人で最も多く、大阪府4733人、神奈川県4536人、愛知県3987人、埼玉県3579人と続いた。死亡数についても東京都が1万540人で最多となり、大阪府8418人、神奈川県8010人、愛知県6363人、北海道6104人の順で多い。

政令指定都市別に見ると、横浜市の出生数は1995人、死亡数は3133人。大阪市は出生1565人、死亡2682人。名古屋市は出生1355人、死亡2053人。札幌市は出生862人、死亡2096人だった。東京都区部(特別区)は出生6075人、死亡6929人となっている。人口規模の大きい都市部に出生・死亡とも集中する構図は、これまでの調査と変わらない。

出生数が緩やかな減少傾向にある一方で、婚姻件数は年間ベースで増加基調にあるという対照的な結果となった。


※このような政策動向・省庁会見の要点などを、毎日メールでまとめてお届けしています。▶無料メルマガ登録はこちら