萩市と事業構想大学院大学、「萩観光モデル創出プロジェクト研究」始動 観光課題解決へ研究員10名を公募
山口県萩市(市長・田中文夫)と学校法人先端教育機構事業構想大学院大学(本部・東京都港区、学長・田中里沙)は、2026年7月22日、萩市の観光課題解決に向けた共同プロジェクト「萩観光モデル創出プロジェクト研究」の発足を発表する共同記者会見を、萩市の萩・明倫学舎で開いた。
萩市は観光を地域の持続的な発展を支える基幹産業の一つに位置付けているが、閑散期や平日の宿泊客数の伸び悩み、市内外からのアクセス改善など、取り組むべき課題は少なくない。こうした課題の解決には行政だけでなく民間の知見や発想を取り込んだ官民連携が欠かせず、観光分野を担う人材の育成も急がれている。今回のプロジェクトは、地域課題解決に豊富な実績を持つ事業構想大学院大学と連携し、実効性の高い観光モデルを生み出すことを目指して発足した。
公募で集まる研究員10名が、萩市の観光課題に向き合いながら新規事業の立案を進める。実施期間は約10か月におよぶ。
研究会ではグループと個人の両方で事業提案に取り組む。グループでは「閑散期・平日の宿泊客数の増加」や「市内外へのアクセス改善」といった萩市の観光課題をテーマに事業を検討し、個人では研究員自身や所属企業の強みを生かした事業を提案する仕組みだ。
指導にあたるのは、新事業の開発を専門とする日本唯一の大学院として知られる事業構想大学院大学の教授陣で、豊富な知見をもとに事業評価や計画づくりを精緻に進めていく。萩市が持つ地域資源や参加企業の経営資源を活用し、実現性が高く独自性の強い観光事業構想を描くことも狙いだ。
さらに、大学院が持つネットワークを通じて観光や地域活性化の分野で活躍する官公庁の担当者や有識者、実践者、研究者、起業家らをゲスト講師として招き、研究員の取り組みを後押しする体制も整える。研究会には異業種の研究員が集うため、自社の業界にとどまらない新たな価値創造も期待されている。
記者会見では、両者の代表がプロジェクトへの期待を語った。萩市長の田中文夫氏は、明治維新の志士を数多く輩出し世界遺産「明治日本の産業革命遺産」を有する萩の歴史と伝統に触れたうえで、閑散期や平日の集客、市内外へのアクセス改善といった課題の解決に向けて事業構想大学院大学と連携する意義を説明し、「かつての志士のように、萩の観光の未来を切り拓く情熱あふれる皆様のご参加をお待ちしています」と参加を呼びかけた。
事業構想大学院大学学長の田中里沙氏は、2012年に文部科学大臣の認可を得て開学した社会人向けの専門職大学院として、地域課題解決に資する人材育成と事業構想に取り組んできた歩みを紹介し、「閑散期・平日の宿泊客数の増加」と「市内外へのアクセス改善」をテーマに研究員とともに新たな観光モデルを構想する考えを述べた。そのうえで、「本学の教育・研究資源やネットワークを生かし、萩市の持続的な発展に貢献してまいります」と抱負を語った。
研究員の募集に関する詳細や説明会の日程は、確定次第、事業構想大学院大学の公式サイト(https://www.mpd.ac.jp/)で案内される予定だ。
実施期間は2026年10月から2027年7月まで、募集人数は10名で公募・選考を経て決定する。構想内容は研究員1人につき1つ以上の個人構想に加え、「閑散期・平日の宿泊客数の増加」と「市内外へのアクセス改善」を想定した2テーマのグループ構想からなる。主催は山口県萩市、共催は学校法人先端教育機構事業構想大学院大学事業構想研究所が務める。
事業構想大学院大学は2012年4月、東京・南青山に開学した、事業構想と構想計画の構築・実践を専門とする社会人向け大学院である。事業の根本からアイデアを発想し、実現に向けた構想計画を組み立てていく多様なカリキュラムを備え、2年間の学びと事業構想計画書の提出を経て、専門職学位「事業構想修士(専門職)」(MPD:Master of Project Design)が授与される。拠点は東京、名古屋、大阪、福岡、仙台の5校舎で、これまでに967名が修了した。
付属機関の事業構想研究所では企業や事業のプロジェクトをテーマにした研究が進められており、修了者はすでに4,500名を超える。月刊誌『事業構想』の発行や研究書籍の刊行にも取り組んでいる。同大学院は公益財団法人大学基準協会が実施する大学認証評価で「適合」の評価を受けており、厚生労働省の教育訓練給付金(専門実践教育訓練)の指定講座にもなっている。
萩市は山口県北部に位置し、面積698.5平方キロメートル、人口約4万人のまちである。日本海に面し、阿武川河口の三角州に築かれた城下町は「江戸時代の地図がそのまま使えるまち」として知られ、吉田松陰や高杉晋作、伊藤博文など明治維新をけん引した志士を輩出した「明治維新胎動の地」としても知られる。世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産を持つほか、北長門海岸国定公園の自然にも恵まれ、萩焼や萩の瀬つきあじといった地域資源も豊富だ。まちそのものが屋根のない博物館として、多くの観光客を迎えている。
問い合わせ先は、学校法人先端教育機構広報室(電話03-3478-8411、ファクス03-3478-8412、メールkoho@sentankyo.ac.jp)まで。