廃棄を前提としない設計へ サーキュラーエコノミー実践の最前線を探る
(※本記事は経済産業省近畿経済産業局が運営する「公式Note」に2026年5月27日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

こんにちは、近畿経済産業局 環境・資源循環経済課です。
このたび、サーキュラーエコノミーの「いま」を知る-Rethink Design Journalを創刊しました。
現場の実践や施策を通じ、日々の小さな工夫から生まれるサーキュラーエコノミーの魅力とビジネスのヒントをわかりやすくお届けします。
なぜいま、サーキュラーエコノミー(CE)が注目されているのか
皆さんは、サーキュラーエコノミー(Circular Economy/以下、CE)という言葉をご存じでしょうか。
CEとは、廃棄物をできるだけ出さず、モノや資源を循環させながら使い続ける経済の仕組みです。従来の「作る → 使う → 捨てる」といった一方向の流れではなく、製品や資源を長く使い、再利用やリサイクルによって繰り返し活用することが求められています。
日本は資源の多くを海外に依存しており、資源枯渇や調達リスクへの対応が重要な課題となっています。また、最終処分場の制約やカーボンニュートラルの推進といった環境面の要請もあり、CEへの移行の必要性は一層高まっています。
さらに、EUをはじめとした再生材利用に関するルール整備など、国際的な制度動向への対応も企業活動において不可欠になっています。
こうした背景のもと、政府では関係省庁が連携し、CEへの移行を国家戦略として推進しています。CEの実現には、私たち一人ひとりのライフスタイルの転換に加え、製品設計から再資源化、再生材の利用に至るまで、サプライチェーン全体にわたる企業の変革が求められます。
では、事業者は具体的にどのようにCEに取り組めばよいのでしょうか。
その実践のヒントとなる考え方として、近畿経済産業局が進めているのが「Rethink Designプロジェクト」です。
CEとどう向き合うか 「Rethink Design」という考え方
Rethink Designとは、モノのつくり方や使い方を見直し(Rethink)、廃棄を前提としない形へと再設計(Design)することで、CEの実現を目指す考え方です。
CEの実現にあたっては、企業間や分野を越えた連携(共創)の重要性が強く認識されています。
一方で、
- 意義は理解できるが、具体的な取組方法がわからない
- 何を起点に考えればよいのか分からない
といった声も多く、実践的なノウハウはまだ十分に蓄積されているとは言えません。そこで重要となるのが、「共通認識」を持つことです。
それはすなわち、「廃棄や『捨てる』という行為を前提としない、循環型ビジネスを目指すこと」であり、その実現に向けた指針がRethink Designです。
また、「Design」には単なる設計にとどまらず、
- 愛着を持って使い続けたくなる
- 心地よく感じられる
- 魅力的である
といった意匠としての意味も含まれます。こうした要素を取り入れることで製品価値が高まり、結果として循環性の向上にもつながる事例が見られます。
関西からひろがるCE ― Rethink Designの取組
Rethink Designプロジェクトでは、この考え方を軸に企業のCEに関する実践知を整理し、広く発信しています。
主な取組は以下のとおりです。
- 実践事例の整理・発信
- 普及啓発
- 実践者同士の連携促進
これらの活動を通じて、単なる事例紹介にとどまらず、新たなCE関連ビジネスの創出と市場拡大につなげることを目指しています。
普及啓発の一環として、大阪・関西万博において、CEを体感できるワークショップ「じつは、こんなものからできてんねんフェス ~Rethink Design Expo~」を開催しました。
本ワークショップは、CEの重要性を「楽しく」「身近に」感じてもらうことを目的に、約半年かけて企画しました。
当日は半日間の開催ながら300名を超える方にご来場いただき、体験を通じて循環の考え方に触れていただく機会となりました。
来場者からは、
- 「使い終わった後の新たな活用方法を考えたい」
- 「不要になったものを必要な人に譲ることを意識したい」
といった声が寄せられ、CEが日常の行動として捉えられ始めていることがうかがえました。
サーキュラーエコノミーの「いま」を知る― Rethink Design Journal
こうしたCEの広がりを受け、当局では現場での取組やCEの魅力を分かりやすく伝えるため、「サーキュラーエコノミーの「いま」を知る― Rethink Design Journal」を創刊しました。
Rethink Design Journalでは、
- 過去にホームページで紹介した実践事例の担当者へのインタビュー
- 当局で実施するCE関連施策・イベントの情報発信
などを、わかりやすく順次お届けします。
CEは、日々の事業や暮らしの中での小さな工夫の積み重ねの先にあります。
本連載が、その一端に触れる機会となり、皆さまの現場での取組を考えるヒントとなれば幸いです。
元記事へのリンクはこちら。
- 近畿経済産業局 公式note