アニメ制作市場、2025年に初の4千億円突破 帝国データバンク調査、26年は縮小の可能性も
株式会社帝国データバンクは8月19日、「アニメ制作市場」動向調査2026を公表した。信用調査報告書ファイル「CCR」などの外部情報をもとに、アニメ制作会社を対象として実施した業界調査で、同種の調査は11回目となる。2025年(1〜12月期決算)の市場規模は事業者売上高ベースで4065億8600万円となり、前年(3698億7400万円)を9.9%上回った。市場規模が4千億円を超えるのは初めてで、過去最高を更新した。
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Netflixをはじめとする動画配信プラットフォーム向けの需要が旺盛で制作本数が多く、劇場版など大型案件の納品も集中したことが押し上げ要因となった。二次利用を含むライセンス(IP)事業の好調や、製作委員会への出資による二次収益の還流も寄与し、1社当たりの平均売上高は13億3700万円と5年連続で増加した。一方、2026年は引き続き制作需要が多いものの、大型劇場版の反動による減収や配信向け投資の一服感、制作能力の要であるアニメーター不足等を背景に、2021年以来5年ぶりに前年を下回る可能性があるとした。
調査対象は2026年7月時点で国内304社。帝国データバンクは、制作を直接受託・完成させる「元請・グロス請」と、原画や動画、CG、背景美術などの専門分野を下請として担う「専門スタジオ」に分けて分析した。
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元請・グロス請では、自社IP(二次利用権)の有無と外注費・労務費のコントロール力によって損益が二極化。IPを持つ大手・系列企業は配信や商品化によるストック収益で高い利益を確保する一方、IPを持たない中堅中小は、アニメーター不足による制作遅延と外注単価の高騰で採算が悪化し、案件を受注するほど赤字が膨らむケースもあった。専門スタジオの平均売上高は4億9900万円で、2年連続の4億円台を維持した。
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業界全体では2025年に「増益」の企業が45.7%を占めたが、人件費・外注費の高止まりや円安による海外外注費の上昇で、制作単体での採算確保は限界に近づいている。帝国データバンクは、需要増が利益に結びつかない「利益なき繁忙」が定着していると指摘した。
今後は、IP収益を拡大させる大手と中小スタジオの経営格差が一段と鮮明になり、300社を超える制作スタジオの統合といった業界再編や、収益力に乏しい零細スタジオの淘汰が進む可能性があるとみている。外部のフリーランスへの依存を見直す動きも広がり、アニメーターの正社員化(内製化)やAI活用による生産性向上に焦点が当たることになる。