大塚食品がボンカレーのノウハウ継承へ 独自AIシステムで失敗レシピも価値に
(※本記事は「食品新聞」に2026年6月20日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)
大塚食品は、人手不足などによりロングセラーブランド「ボンカレー」をはじめとする製品群の技術・ノウハウの継承が困難になる恐れに先手を打ち、独自開発のAIシステムの活用を開始した。
一般的に、ロングセラー商品の中身開発は一度で終わることはなく、その時の原料事情や社会環境の変化を踏まえ、不定期的に見直しが求められる。
大塚食品琵琶湖研究所(滋賀県大津市)では、1983年の設立以来、試作経験を重ねることで蓄積された味づくりの技術・ノウハウが、熟練研究員から若手研究員へと受け継がれている。
熟練から若手への継承にあたっては感覚的な要素や非言語の要素に頼るところも大きく、若手は時間をかけて技術を体得していく。ただし、昨今の人手不足や売り手市場の傾向を鑑みると、そのサイクルが揺らぎかねないという懸念が浮上。このことが開発の背景となる。
円滑な継承を阻む事象としては、研究員の中で風味に対しての認識のズレや知覚のズレが生じうることや、紙の資料がハードファイル1000冊以上で保管され情報のピックアップが困難である点が挙げられる。
このような課題を察知して開発を主導したのは大塚食品琵琶湖研究所の石川泰平さん。
6月16日、同研究所で発表会に臨みAIシステムのメリットについて「研究員の視点では、いつ誰が何をしていたかというところと、その時にどのような判断材料があったのかを後からでも学ぶことができる。レシピノートの無数の束をあたってもどこがポイントなのか把握しにくいが、AIがデータを解釈して見せてくれる。先人の気づきや経験を現在において見える化し、残せておけるのが大きなメリット」と説明する。
続きは無料会員登録後、ログインしてご覧いただけます。
-
記事本文残り71%
月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!
初月無料トライアル!
- 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
- バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
- フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待
※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。