Carbon Xtract 経営陣・九大などからプレシリーズA資金調達
Carbon Xtract 経営陣・九大などからプレシリーズA資金調達九州大学発スタートアップのCarbon Xtract(福岡市)は、2026年8月14日付で第三者割当増資によるプレシリーズAラウンド(1st Close)を実施した。8月18日に発表した。調達した資金は、同社が手がける「m-DAC(membrane-based Direct Air Capture)」の社会実装に向けた実証実験と量産体制の構築、研究開発・事業開発などを担う人材の採用強化に充てる。
m-DACは、独自開発の分離ナノ膜で大気から直接、二酸化炭素を回収する技術。空気清浄機のように二酸化炭素を選択的に回収し、加熱を必要としない構造のため装置の小型化と分散設置が可能になる。同社によれば従来技術の数十分の一以下の設置面積と低エネルギーで運用でき、小型モジュール化によりモジュール単位での保守にも対応する。
将来的には、膜分離ユニットと電気化学的・熱化学的な二酸化炭素変換ユニットを連結し、回収から炭素燃料の製造までを一貫して行うシステムを構想する。回収した二酸化炭素は、ハウス栽培や植物工場、炭酸飲料、微細藻類の培養、炭酸泉などでの直接利用に加え、燃料への変換も視野に入れている。
増資の引受先は、代表取締役社長の森山哲雄氏と取締役CTOの藤川茂紀氏、フェムトパートナーズとGxPartners LLPがそれぞれ運営する投資事業有限責任組合、九州大学。今回の増資により経営陣が議決権の過半数を保有する新体制へ移行した。迅速な意思決定と成長の加速を狙ったもので、リード投資家はフェムトパートナーズが務める。
Carbon Xtractは2023年5月の設立以来(関連記事)、九州大学の二酸化炭素分離膜技術と双日の事業推進力を組み合わせて共同開発と技術実証に取り組んできたが、市場の要請に機動的に応えるため経営の独立性を強化する形をとった。双日とは引き続き事業連携パートナーとして協業を継続し、技術開発は九州大学主幹教授を兼務する藤川CTOが率いる。同ラウンドは2026年末に向けて2nd Closeによる追加調達も予定する。