日立造船・創業以来の挑戦の精神で 造船から環境への事業転換

1881年の創業から、2020年に140年を迎えた日立造船。創業時からの造船技術を基盤に、環境、機械・インフラ、エネルギー、脱炭素化技術と、積極的に新たな事業を展開し、社会課題の解決と新価値創出に取り組んできた。創業以来の挑戦の精神や今後のビジョンについて、三野禎男社長に話を聞いた。

三野 禎男 日立造船 取締役社長兼CEO

造船から環境事業へ

1881年、創業者E.Hハンター氏が、祖国である英国と同じく海洋国家である日本で造船業を立ち上げたのが日立造船の始まり。

三野社長は「創業者は非常に挑戦の精神のある方で、造船業以外にも様々な事業を手がけていました。日本の文化を尊重し、神戸の発展にも尽力し、公益も国益も考えた事業に取り組んできました。それが、現在の当社の事業にも引き継がれているかと思います」と話す。

祖業である造船業は浮き沈みの激しい事業だ。三野社長が入社した1982年頃は特に厳しい時代で、入社4~5年目には、1万7000人から約6000人体制まで企業規模を縮小した。その後も日本の造船業は韓国や中国との激しい競争にさらされ、日立造船も2002年に造船事業の切り離しを決断している。以来、環境プラント、鉄鋼構造物、建機、精密機械など、様々な事業を育ててきた。

現在、同社の事業の6割を占めるのが廃棄物処理関係の事業。特に、ごみ焼却発電は、大阪市の旧西淀工場に日本初のごみ焼却発電施設を納入してから、既に60年近くの歴史を持つ。廃棄物を燃やして衛生的に処理するのと同時に、電気や蒸気などのエネルギーを生み出すのが、ごみ焼却発電。施設の建設だけでなく、自治体に代わって保守・運営を担う長期運営事業も重視しており、現在の受託数は全国で40カ所を超えている。そこには、造船で培ってきた、高いものづくり技術やエンジニアリングのノウハウが活きている。

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