挑戦が当たり前のまち、「パーパスシティ」の実現を目指す

7月12日に開催された第2回スマートシティ研究会では、都市再生の構想策定と都市のありようを探求する雑誌『MEZZANINE』編集長でアーキネティクス代表の吹田良平氏を講師に講義が行われた。事業構想研究所の河村昌美教授のレクチャーとともに、ダイジェストで紹介する。

吹田 良平 『MEZZANINE』編集長、アーキネティクス代表

公民連携で持続可能なまちづくりを模索するスマートシティ研究会。第1回では移動・交通の観点から今後の都市のあり方を議論。続く第2回研究会では、吹田良平氏が講義を行った。

市民の創造性を解放する

少子高齢化や労働人口減少、社会保障費の増大、インフラの老朽化など、数々の課題を抱える日本。山積する課題を解決する方策として、吹田氏は特に①雇用創出、②生産性の向上、③新産業の創出、を指摘する。

「これらを前提に都市のありようを考えた場合、自分の街にチャレンジャーを増やす、さらに言えば、市民一人ひとりが持つ創造性を解放する・民主化することが大切」と氏は語る。

チャレンジの原資となる創造性(クリエイティビティ)は、何もアーティストやクリエイターの専売特許ではなく、すべての人が持っている人間の『基本性能』だ。挑戦する人を増やし、街の誰もが創造性を発揮し、生きがいを実感できる社会。その副産物、あるいは成果物として新たな産業が生まれれば言うことはない。こうした構図を実現することが理想だ。

「スマートシティとは、街が抱えている顕在化した課題解決の手段だと思います」

遠隔医療、遠隔教育、自動運転…。テクノロジーを活用して日常生活上の課題を解決していくことで、まずはベーシックなQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を担保する。次に、このスマートシティに集まったビッグデータを糧に新しいサービスを生み出すチャレンジャーが増えれば、スマートシティはより能動的な『起業都市』へと進化する。そして、その先にあるのが、人々が自身の能力を生かして創造的に挑戦し続ける街『パーパスシティ』だと吹田氏は定義する(図)。

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