障がい者も健常者も、誰もが生き生きと楽しく働ける場をつくる

仙台市郊外の仙台東インターチェンジの近くに、地元では予約がなかなか取れないことで有名な「自然派ビュッフェレストラン 六丁目農園」がある。最寄駅から徒歩約20分という立地にも関わらず、東北各地や関東からも定期的に訪れるファンがいるという、このレストラン。その人気の秘密とは?

渡部 哲也(アップルファーム 代表取締役)

働く障がい者スタッフが主役

平日のランチタイムに多くの女性客や家族連れで賑わう、「自然派ビュッフェレストラン 六丁目農園」。働くスタッフの約7割は障がい者だが、スタッフは皆テキパキと動いているので、言われてみないとほとんどの人はそれに気がつくことはない。

「障がいをもつスタッフには、それぞれ長所があります。かつて船井総研の船井幸雄氏が『長所伸展法』ということを言われていましたが、障がいのあるスタッフにも、まさしくそれが当てはまります。包丁を扱うのが得意なスタッフ、ピザをつくるのが上手いスタッフ、ホールが得意なスタッフと、それぞれ得意分野があります。農場での仕事が得意なスタッフには、農場で収穫や出荷の手伝いをしてもらっています。いろいろやってみて、適性を見つけ、それを伸ばしていくことが大切です」と、同レストランを運営するアップルファーム代表の渡部哲也氏は語る。

徹底した手作りへのこだわり

「六丁目農園」を訪れるファンの多くは、こだわりの食材を使用した手作りの味を求めてやってくる。同レストランでは手作りへのこだわりを徹底しており、まず、冷凍品はほとんど使用しない。調理も手作りを徹底しており、例えばニンジンの千切りひとつとっても、通常は機械で切れば効率的だが、全部手で切っている。手で切ると、断面に光沢ができ、見栄えもキレイになるという。また、自然の味付けを心がけ、化学調味料を使っていないので、味も優しくなる。

「一般的なビュッフェでは、大皿でどさっと盛り付けすることが多いのですが、うちでは普通の半分以下の小さいお皿でお出しして、こまめに追加しています。大皿だと初めは良いのですが、時間が経つとともに冷めたり、味が落ちてしまうのです。うちのお客様は女性が多く、そうしたこだわりにも気づかれて声をかけてくださいます。日々、手間暇をどれくらいかけられるかにチャレンジしています。これは一見、非効率に思えるかもしれませんが、ほとんど広告宣伝費をかけずにお客様に来ていただいているので、結果的には効率的になっていると思っています」

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