パリコレモデルからの「転落人生」 地域移住で見つけた新しい価値

ランウェイで魅せたクールでスタイリッシュな横顔。テレビ画面から溢れる燦燦と明るい笑顔。まったく別のカラーだが、それぞれ両極端に突き抜けている。『パリコレモデル』を筆頭に、華やかな経歴に彩られた林マヤ。自身はその半生を「転落人生」と語る。茨城県に移住し、現在は『芸農人』として活動する彼女の素顔は、今もさまざまな表情に溢れていた。

文・油井なおみ

 

林 マヤ(タレント)

大人しく劣等感に苛まれた少女が
パリでの出会いで自分を取り戻す

自宅近くの太郎山でひとり、稲穂が風に揺られる音に耳を澄まし、小枝を指揮棒にして空想のオーケストラを束ねる――。

「子どもの頃は本当に大人しくて、小学2年生くらいまではお友達もできなくて不登校気味になっていたくらい。山が唯一の友達だったんです(笑)」

メディアでの活躍からは想像もつかないが、林マヤは自らの元々の性格を「極度の内気」と語る。ただし、内に秘めた感受性は人一倍。図工で木を写生する授業では、力強く地に張る根をクローズアップして描いたり、建物を描けば、実際とは違う自分の好きな色で塗る子供だったという。

「先生には『これは絵じゃない』と言われてね。当時は何でも右へ倣えで、平均がいいという教育。それを乱してしまう自分が怖いというのもあったし、自信も失くして、どんどん内に籠ってしまったんです」

そんな大人しい少女に転機が訪れたのは、高校入学初日。くせ毛の林は、早々に生活指導の教師の目に留まる。

「一方的に『明日までにパーマを取ってこい』と怒られて。地毛だと説明したかったんですが言い返せなくて、思わず『はい』って言っちゃったんです。美容院で美容師さんに『どうしますか?』と聞かれた瞬間、自分の中で何かが爆発しちゃったんですね。気づいたら、『根元からぐりぐりにパーマをかけてください』って言ってた(笑)」

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