事業構想人材の輪、修了後も続く「構想」の探究 社会を動かす人材へ

自らの事業構想を研究し、構想計画書にまとめた修了生たちは、企業経営や新規事業開発、起業、地域創生など多様な分野で活躍する。修了後も構想の探究を継続できる環境づくりの成果も出てきた。

「MPD女性起業家コミュニティを創る会」の定期勉強会の様子

事業構想大学院大学が開学して15年。本学が育成してきた人材は、社会のさまざまな分野で活躍している。第1期から第13期までの修了生の中には、所属企業で新規事業を成功に導いた者、起業家として新たな価値を創出している者、事業承継を通じて企業を成長させている者、新事業の分社化によって経営者となった者などがいる。また、地方議員や首長、行政の要職として、地域社会の発展に尽力する者も現れている。このように、修了生の活躍は、ビジネス領域にとどまらず、公共政策や地域創生、教育などへも広がっている。優れた起業家として表彰を受けたり、メディアで紹介されたり、講演や地域のアントレプレナー教育に携わるなど、さまざまなかたちで事業構想の価値を社会に発信している。

その一方で、「修了後も事業構想の研究を続けたい」「構想をさらに深めたい」という声を受け、本学では2025年度に事業構想研究科研究員制度を創設した。研究員は教員による個別指導を受けながら研究を進めることができるほか、在学生の演習にも参加できる。すでに多くの修了生が研究科研究員として自身の事業構想を探究し、研究と実践を往還しながら新たな価値創造に挑戦している。

また近年、本学では女性修了生・在学生による起業や新事業創出の動きも活発になっている。こうした流れの中で誕生したのが、「コワくない!MPD女性起業家コミュニティを創る会」である。「起業することはこわくないと思える、安心して相談できるコミュニティを実現する」ことを目的として発足し、現在は全国の校舎から31名の修了生・在学生が参加している。起業家や起業準備中の者、女性起業家を応援したい者が集い、それぞれの経験や課題を共有しながら交流を深めている。

活動では、メンバーがフラットな立場で対話を重ね、起業や経営に関する実践知を共有している。定例の会合では、参加者やゲスト講師による話題提供をもとに活発な議論が行われ、「質と安心感」「価値ある時間」「共創と事業連携」を行動指針として、新たな事業や協働の可能性も模索している。本学としても、こうした女性起業家の挑戦を応援するとともに、一人ひとりの起業が新たな雇用や関係性の構築、多様なコミュニティの創出につながっていくことを期待している。

このような主体的な活動を支援するため、本学では「院生等自主研究活動の認定及び支援に関する規程」を整備した。「MPD女性起業家コミュニティを創る会」は、その第1号認定団体となっている。

開学から15年。本学は多くの事業構想人材を社会へ送り出してきた。そして今、修了生たちによる構想の探究は、自身の事業構想の実現にとどまらず、研究員制度や自主研究活動、修了生コミュニティを通じて広がり続けている。これからも本学は、「構想する力」を核に、人と社会を動かす事業構想人材と、それを支えるコミュニティを育み続けていきたい。