全てがオンラインで完結する町役場へ 福島県磐梯町のDX戦略

福島県磐梯町は、2019年11月にCDO(最高デジタル責任者)を設置し、住民本位のDXの実現を目指した改革を進めている。自治体DX推進やセキュリティ対策のポイント、磐梯町の取り組みについて、CDOの菅原直敏氏が解説する。

菅原 直敏(磐梯町CDO)

ICTは業務、DXは経営
部局横断的な取り組みが不可欠

2020年12月に総務省が公表した自治体DX推進計画では、自治体の情報システムの標準化・共通化、行政手続のオンライン化、テレワークの推進など、今後の社会変革に際して行政が対応すべき項目や自治体DXの具体的な指針が示された。磐梯町のCDOであり、一般社団法人Publitech代表理事なども務める菅原直敏氏は、「いま全国の自治体では、デジタルへの理解が曖昧なままDXの実行フェーズに進んでいるのでは」と警鐘を鳴らす。

福島県磐梯町は人口約3,400人。磐梯山を擁しスキーのメッカとしても有名

「自治体DXに取り組む際には、テクノロジーを起点に考えるのではなく、住民本位に置き換えて考えることが大切です。今後、行政・地域・社会のあらゆる分野がデジタルで再構築されることになるでしょうが、デジタル技術は『手段』であって『目的』ではありません。そう考えると、人にやさしいデジタル技術で、誰一人取り残さないという意識が大切になります」

まず、多くの自治体がつまずきやすい点が、ICT化とDXの目線の違いだ。「ICT化は組織の効率化を主な目的としており、例えば人の業務をRPAで代替するといったように、業務本位の目線になっています。一方のDXは、住民サービスの向上を主な目的として、デジタルを用いて新しい価値や仕組みを創出する営みであり、住民本位・職員本位の目線です」

言い換えるならば「ICTは業務、DXは経営」だ。多くの自治体は、これまでICTに取り組んできた情報システム部門に、DX推進の全般を任せようとしている。しかしDX=経営という視点に立てば「部局横断的にDXを考える組織を作り、推進することが非常に重要です」と菅原氏は指摘する。

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