プロット 「内側」と「外側」を繋ぎ手間を削減

企業間や組織間の安全なコミュニケーションをサポートしているプロットは、自治体のメールやファイル授受の手間を削減するソリューションを提案する。さらに、LGWANから利用できる情報セキュリティ教育・訓練サービスも展開している。

ファイル授受の手間を削減

プロットはファイルやメールに焦点を当て、企業間や組織間のコミュニケーションを安全にするためのセキュリティ製品を開発している。

全国の自治体では、総務省のセキュリティ強靭化事業を通じてセキュリティレベルが向上した一方で、情報ネットワークの分離・分割によって事務効率が低下しているという課題がある。ネットワークが分離されたことで、インターネット接続不可の守るべきネットワークである「内側」と、インターネット接続が可能でリスクを伴うネットワークの「外側」との間で、入退室やファイルの移動に手間がかかるようになった。

 

このような中、総務省は「三層の対策」の基本的な枠組みを維持しつつ、効率性・利便性を向上させるモデルとして、インターネット接続系に業務端末・システムを配置した「新たなモデル」(βモデル)を提示した。このβモデルは内側への「入退室」の回数を減らすことで、利便性を向上させるというものだ。

「βモデルでは、人的教育や検知能力即応体制も求められます。それらに必要となる様々な施策やリソースを考慮すれば、従来のαモデルを今後も継続せざるを得ないケースもあるでしょう。また、段階的にβモデルにしていく場合も、当面はαモデルを続けざるを得ません。プロットではそれらの自治体の方々にも、利便性を向上させられるご提案をしています」とプロット常務取締役の坂田英彦氏は語る。

坂田 英彦 プロット 常務取締役

また、βモデルは入退室の回数を減らすが、入退室の手間自体を減らすものではない。そこでプロットでは、この入退室に関わる手間を直接減らす手法も提案している。それは、「内側のドアと外側のドアをつなぐ」という考え方に基づくものだ。

 

内側に当たるLGWAN( 総合行政ネットワーク)接続セグメントと、外側のインターネット接続セグメントとの間でファイルなどを授受する場合、「内側のドア」となるのは「ファイル授受システム」や「ファイル無害化システム」だ。一方、「外側のドア」は、メールであれば「メール無害化システム」、ファイルのやり取りであれば「外部ファイル共有・授受システム」となる。プロットが提案するアプローチは、これら内側のドアと外側のドアを動的に繋いで、1つにするというものだ。

「WEB-APIを使って、システム同士が自動的に連係して動くようにします。そうすれば外側に出ることなく、内側のファイル授受システムを触るだけで自動的に外側のドアと連係し、外部とのやり取りを安全、簡単にできます。これによって、メールの添付ファイル取り込みなら従来の18分の1程度、外部とのファイルやり取りならば従来の4分の1以下の手間にできます」

教育・訓練のサービスも

プロットの製品で内側のドアになっているのは、「Smooth File ネットワーク分離モデル」というネットワーク分離間のファイル授受システムだ。これがメールの無害化システムやオンラインストレージと連係したり、無害化エンジンである「Fast Sanitizer」と連係して高い利便性を実現させる。他には外側に向けた誤送信を防止したり、自動暗号化ができる「Temp Box」や原本メールをアーカイブする「Mail Gazer」などの製品がある。

また、「CYAS」は情報セキュリティ教育・訓練のためのサービスだ。例えば、職員に偽のメールを送信して訓練したり、Eラーニングによるセキュリティ教育を行い、理解度をチェックすることもできる。これまで、「ASPIC IoT・AI・クラウドアワード」に2度エントリーし、2度とも支援業務系のグランプリに輝いている。

LGWANから利用できる情報セキュリティ教育・訓練サービス「CYAS for LGWAN」は、今年3月にリリースした。「LGWAN-ASP化も行っており、無償でずっと使っていただけるサービスなので、自治体の方々の教育や訓練にご活用いただきたいです」

3つのフェーズで手厚く支援

さらに、プロットでは3つのフェーズで自治体を手厚く支援している。1つ目は「検討フェーズ」で、購入を検討する段階だ。「当社の営業では、全員が情報処理推進機構(IPA)のセキュリティ資格を持ち、日本中どこでも伺ってプレゼンテーションできます」

2つ目の「導入フェーズ」では、ネットワークのエンジニアが自治体の担当者らにヒアリングを行い、パラメータ設定を支援する。設定はすべて出荷時に施すため、導入後は電源を入れればすぐに、期待した運用が始められる。

さらに導入後の「運用フェーズ」では、プロットのサポートエンジニアが直接チャット、電話、メールでサポートする。これらのサポートは、社内の開発エンジニアとサポートエンジニアが密に連携しながら進めていく。その際、利用者からの要望も聞き、製品をブラッシュアップしていく。

「2016年度の自治体セキュリティ強靭化から約4年が経ちますが、私たちはその間、ネットワーク分離間のファイル授受と無害化エンジンの部分だけで913件の改修を加えました。このうち4割近くは、自治体の皆様の声を反映したものです。これは純国産で、自社技術で自社製品を開発しているベンダーだからこそできることです」

ネットワーク分離はセキュリティを向上させる一方で、内側で業務を行う場合には、利便性が犠牲になりやすい。プロットでは、①ファイルやメールの無害化、②ネットワーク分離間のファイル授受、③外部組織とのファイルの授受、④オンラインストレージ、という4つのジャンルすべてにおいて、自社技術による自社製品を提供している。このため、製品同士を密接に連係させて利便性向上を実現できる。

プロットの製品は現在、400以上の自治体や公的団体で採用されている。今後も安全性や利便性のさらなる向上を目指し、自治体の支援を続けていく。

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