2020年11月号
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政府DX戦略は、新ビジネスの宝庫

人型重機で人の想像力を解き放つ 未踏に挑むロボットベンチャー

金岡 博士(人機一体 代表取締役社長)

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人の能力を拡張する4m級のロボット「人型重機」を開発する立命館大学発ベンチャー、人機一体。それは、人が肉体の制約に捉われず、自在に「力」を操ることを可能にする。社長である金岡博士は、「人が力を求めるのは根源的な欲求であり、人機一体の技術には膨大な産業用途がある」と語る。

大型の二足歩行ロボット「人型重機」。今年度末までには、実用化を視野に入れたプロトタイプの一号機ができる予定だ

すべての有用な
ロボット工学技術を社会実装

人の指の力を100倍以上に増幅する「パワーフィンガー」、両脚のパワーを7倍に増幅する「パワーペダル」……。立命館大学発のベンチャー、人機一体は人間の能力を拡張する4m級のロボット「人型重機」の開発を進めている。しかし、人機一体の社長であり、立命館大学ロボティクス研究センターの客員教授を務める金岡博士は、特定のロボットを開発すること自体が事業の目的ではないと語る。

金岡 博士(人機一体 代表取締役社長 兼 立命館大学 総合科学技術研究機構 ロボティクス研究センター 客員教授)

「我々が目指しているのは、すべての有用なロボット工学技術を社会実装すること。人型重機はその手段にすぎません。実は、従来の『ロボット』の多くは、我々が好んで使う力学ベースのロボット工学技術を実装することができないのです。人機一体のロボットは、それを可能にする新たなプラットフォームとしてつくられています」

すでに世の中では工場や倉庫などで無数のロボットが稼働しているが、人機一体が開発しているのは、それらとは根本的に異なるものだという。

「我々が手掛けるロボット工学技術と産業用ロボット技術には乖離があります。むしろ、産業用ロボットがまったく見ようとしてこなかった領域を開拓していきます」

フィジカルな道具として
ロボットを直感的に操作

産業用ロボットでは、位置や速度の制御はなされていても、力の制御はほとんどなされていない。

「産業用ロボットは、外部環境との相互作用(インタラクション)を排除することによって効率を上げる戦略が基本です。しかし我々の考えでは、スキルとはそもそも相互作用の中にこそ存在するものです。我々のロボットプラットフォームは、未知の外部環境との相互作用が前提であり、そのためには力制御の実装が不可欠。その意味でも、やはり我々の哲学と産業用ロボットとは相容れない。ロボット工学の王道は外界との力学的な相互作用にあり、我々はその王道を行く。そうしたコンセプトのロボットベンチャー企業は、私の知る限りありません」

人機一体が開発している人型重機は、人を不要とする自動・自律ロボットや人工知能ではなく、人間の身体能力を拡張しつつ、外界に対して力学的に働きかけるインタラクティブツールだ。人型重機は人の力を増幅させるだけでなく、壊れやすいものをつかむといった相互作用ベースのスキルを発揮し、さらに人はそれを容易に操作することができる。

「我々のコア技術の1つとして、パワー増幅マスタスレーブ(人が操作する『マスタ』機と、マスタ機とシンクロする『スレーブ』機によって人がロボットを操る)システムがあります。マスタスレーブシステムは人と機械をつなぐインターフェースであり、人はロボットをフィジカルな『道具』として直感的に操ることができます」

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