シスコシステムズ 都市のデジタル化を全方位で支援

ITおよびネットワーキングの世界的なリーダーであるシスコシステムズ。豊富な経験を元に、海外で先行するスマートシティ事例にもかかわっている。同社 代表執行役員会長の鈴木和洋氏が、スペインや韓国、京都など国内外の都市のスマート化事例を紹介する。

鈴木 和洋
シスコシステムズ合同会社代表執行役員会長

公共サービスのデジタル化で
行政の運用効率化を支援

ルーター・スイッチなどネットワーク製品を強みに、世界165カ国以上で事業を展開してきたシスコシステムズ(以下、シスコ)。ITおよびネットワーキングの世界的なリーダーとして、早くからスマートシティ分野に着目し、世界35カ国以上で70を超えるスマートシティプロジェクトに参画してきた。

「私たちは照明、駐車場、交通、ゴミ収集管理などのさまざまなデジタルサービスを街に提供し、それらを単一画面で一括管理し、データ収集・分析、他のデバイスとの連携、アプリケーションへのデータ転送などの一連の作業を、セキュアな接続環境のもとで実行する都市管理プラットフォームを提供しています」とシスコシステムズ合同会社 代表執行役員会長の鈴木和洋氏。シスコが各国のパートナーと共同開発したサービスは、ビル・オフィス、教育、医療、行政など多領域にわたり、その数は300に及ぶ。それらをカタログ化し、ホワイトペーパーとして保有しているため、自治体からのいかなる相談にも対応できると強調した。

スペインや韓国で先行する
海外のスマートシティ事例

シスコが支援した数あるプロジェクトのなかでも、今やモデルケースとして世界に注目されるのがスペイン・バルセロナの「IoTフルスコープ型スマートシティ」だ。バルセロナでは、2000年から知識集約型の新産業とイノベーションを創出するための大規模なスマートシティプロジェクトが始動。シスコのソリューションをもとにWi-Fiを都市のICT基盤として整備し、街灯、交通、水道・電力の管理、ゴミ収集管理などの都市機能を導入し、都市全体のスマートシティ構築を実現した。

「駐車場の空きスペースをセンサーで感知し、空き状況をドライバーのスマートフォンに送信する『スマートパーキング』により、空きスペースを探すために無駄に周回することがなくなり、渋滞が緩和されました。また、同サービスの一部を民間企業に流用することでマネタイズにも成功しています」

スマートシティ化により、産業の活性化や雇用の創出も向上している。本社移転やスタートアップ企業の創業が増えるなどの企業誘致に成功し、税収の増加にも繋がった。また、ICT、メディア、エネルギー、医療工学などの研究機関や大学がクラスターを構成し、イノベーションも促進されているという。

次いで鈴木氏は、官民共同の事例として、韓国・ソンドの「官民共同3セク型スマートシティ」を紹介した。仁川(インチョン)空港近くの湿地帯を埋め立て、計画人口30万人の新都市・松島(ソンド)というスマートシティを建築するプロジェクトだ。構想段階から参画しているシスコは、2009年に仁川市、韓国建設大手のポスコ建設、シスコでMOU(基本合意書)を締結し、出資も行った。

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