東京・大手町にフィンテック交流の拠点 50社超の起業を支援

メガバンクの本店や海外銀行の東京本社が集まる東京・大手町。FINOLABは、新しいフィンテック企業の拠点としてここに開設されたインキュベーションスペースだ。開設から2年9ヶ月、スタートアップと事業会社、当局が交流する場として、活動を広げている。

蓮村 俊彰(電通 イノベーションイニシアティブ イノベーションインテリジェンス部 シニア・プロジェクト・マネージャー)

FINOLAB(THE FINTECH CENTER of TOKYO, FINOLAB)は、メガバンクが本店を構え、日本の金融街として知られる東京・大手町にあるフィンテック・スタートアップの活動拠点だ。46社のスタートアップと、10社の事業会社が、同じオフィスでビジネスを進める。(10月1日時点)

2016年2月に東京銀行協会ビルで活動を開始し、2017年2月に現在の大手町ビルに拡張・移転した。運営は、電通と、電通国際情報サービス(ISID)、三菱地所。フィンテック企業の活動の活発化に伴い、2018年にも、大手町ビル内でスペースを拡張している。

日本の金融街に「部室」を

FINOLABには、フィンテック・スタートアップに、金融業にも対応できるオフィススペースを提供するインキュベーターとしての機能がある。物理的な場所だけでなく、専門家による助言や、イベントの開催を通じた出会いの場、コミュニティも提供する。

設立のきっかけは、日本のIT企業としていち早く金融のデジタル化に注目していたISIDが、金融スタートアップにフォーカスしたイベントFIBC(Financial Innovation Business Conference)の開催を2012年から毎年続けていたこと。2015年からフィンテックへの関心の高まりを受け、年1回のイベント開催に限らず、国内フィンテック業界を盛り上げる継続的な取り組みを行っていこうという意見が有識者から出たこともあり、常設の「溜まり場」となるスペースを設ける話が持ち上がった。なお、この有識者集団は一般社団法人金融革新同友会FINOVATORSとなり、FINOLAB内でメンターとして活動している。

電通の汐留本社内に開設する案もあったものの、「日本の金融街は大手町から丸の内にかけてのエリア。汐留では距離がありすぎ、誰も来てくれないのではという危惧がありました」と、FINOLABの開設にかかわった電通シニア・プロジェクト・マネージャーの蓮村俊彰氏は話す。

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