2018年12月号
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フィンテックの興亡

日銀Fintechセンター長が語る ブロックチェーン時代、中央銀行の行方

副島 豊(日本銀行 FinTechセンター長)

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日本銀行が2016年に決済機構局内に設置したFinTechセンター。外に開かれた組織として、フィンテックをどう金融ビジネスに活かしていくか、いかにしてよりよい金融サービスを生み出していくか、を考える場やきっかけを提供している。

FinTechセンターがある日本銀行本店。築120年を超える本館は現在免震化工事を行っており、完工の予定は2019年度

日本銀行は、2016年4月、決済機構局に「FinTechセンター」を設置した。その目的は、金融機関をはじめ様々な企業や研究開発者などと意見交換し、フォーラムなどの場や講演を提供したり、外部会合にメンバー参加することで、フィンテックを巡る動きが金融サービスの向上や持続的成長に繋がるよう取り組んでいくこと。目的達成の大前提として、情報通信技術の進歩にキャッチアップし、日々誕生する新しい金融サービスの情報をグローバルに追いかけている。同センターのセンター長を務める副島豊氏に話を聞いた。

副島 豊(日本銀行 決済機構局 FinTechセンター長)

――FinTechセンターの活動内容についてご紹介ください。

副島 FinTechセンターは、「触媒」としての役割を果たすために設立されました。金融の実務と先端技術、調査研究、経済・社会のニーズを結びつけ、フィンテックの動きを一段と活性化する触媒としての役割を期待されています。

目玉となる活動のひとつは、フィンテックに関連した様々な人が出会う場の提供で、「FinTechフォーラム」として開催し続けています。1回目は2016年9月で、以降の2年間で合計6回、開催しました。金融機関やフィンテックスタートアップ、IT企業や大学の研究者などが集まって、オープンな場でプレゼンテーションをしたり、ディスカッションをしたりします。

これまでに取り上げたテーマは、情報セキュリティ、ブロックチェーン、オープン・イノベーションを活用した新しい金融サービス、ビッグデータの活用、AIチャットボットなどです。フォーラム会合には毎回、沢山の方に参加頂き、金融機関やIT企業の最前線の取り組みに触れ、様々なトピックについて議論を重ねています。

プレゼン資料や概要をテキストで公開するとともに、最近のフォーラムでは動画もYouTubeで配信しています。フォーラムに参加できなくとも、全国に散らばる関係者が、議論の様子をシェアできるようにするためです。

外部講演も積極的に行っています。「QRコード決済」という言葉は知っていても、実際には使ったことがない人が少なくありません。そこで、講演スクリーン上のQRコードからスマホを使ってアクセスするライブアンケートを実施し、まずはQRコードからネットサービスに飛ぶという体験をしてもらいます。

新しい金融サービスが登場してきたときに、喜んで飛びつく人は一部で、多くの人は利用を躊躇します。そのハードルは、セキュリティが不安といったはっきりしたものとは限らず、ほんのちょっとの心理的なハードルであったりすることが少なくありません。慣れているサービスを使い続けたいというのは人の常です。

そう考えると、行動経済学でいうところのナッジを上手く活用することも新しい金融サービスを体験してもらい普及させるうえで大事ではないのかと考えています。また、人間、知らないものは欲しようがないので、新しい金融サービスを知ってもらうということも重要だと思います。

このほか金融サービスの提供サイドに対しても、何らかの手掛かりになるようなお話を提供できるよう努力もしています。

さらに、海外でのコンファレンスやイベントにも積極的に参加し、日本のフィンテックシーンの紹介もしています。他国に比べて、日本が決して遅れてはいないことをアピールしています。

2018年8月に開催した、第6回FinTechフォーラムのパネルディスカッション。同フォーラムのサイトでは、プレゼンテーションとディスカッションの動画を公開している

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