2018年9月号
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ローカルベンチャー

丸亀製麺のトリドール 世界6000店、外食トップ10への戦略

粟田 貴也(トリドールホールディングス 代表取締役社長)

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各種のうどんをカウンターで注文し、サイドメニューは自分で取り、食べ終わったら食器は返却口へ戻す。香川では古くから知られる製麺所のスタイルと風情感を表現した丸亀製麺を全国に広めたのがトリドール。外食のグローバル企業を目指し、海外飲食チェーンの買収を積極的に進めている。

粟田 貴也(トリドールホールディングス 代表取締役社長)

セルフうどんは21世紀に急成長した新しいファストフード。香川県以外ではなじみのなかったこの業態を、国内だけでなく海外にも広め、大きく成長させたのが、トリドールだ。

手づくり・出来たてを提供

トリドールは、1985年に粟田氏が兵庫県加古川市で開業した焼鳥屋「トリドール三番館」を起源としている。国内の外食市場の成長をなぞるように、駅前の小規模店から、郊外ロードサイド型・ファミレス規模の焼鳥ファミリーダイニングへと発展を遂げ、全国展開を目指し上場一歩手前までこぎつけた。ところが、2004年に国内で鳥インフルエンザが発生。鶏肉を扱う業態を主軸として展開していくにはリスクがあると判断し、上場計画は一旦白紙に戻さざるを得なかった。

一方、現在、同社の主力ブランドになっている丸亀製麺は、1990年代後半の讃岐うどんブームの際、丸亀市の小さな製麺所に行列ができていたのを目撃したことから2000年の1号店出店につながった。讃岐の本場の製麺所と同様、店舗内で製麺し、「手づくり」「出来たて」の商品を提供することにこだわっている。

外食市場が拡大していた時代、多くの企業が「チェーンストア理論」を採用した。セントラルキッチンで調理した食材を各店舗に配送し、マニュアルを通じて作業の標準化・効率化を進めるというものだ(右ページ図参照)。店舗網はフランチャイズで拡大をする。各店舗で製麺する丸亀製麺のビジネスモデルは、チェーンストア理論とは真逆だ。

「チェーンストア理論に基づく外食産業には、日本の食文化を豊かにしたという功績があると思います。しかし、2000年頃にレストランが過剰になり、顧客がお店を選ぶようになると、作りたての商品を提供する丸亀製麺のビジネスモデルが顧客に支持され、有利になりました」と、粟田氏は話す。

丸亀製麺が、店内で製麺するシステムを採用したことには、差別化の他にも利点があった。例えば、拡大期にセントラルキッチンからの物流を考える必要がなかった。丸亀製麺がショッピングモールのフードコートへの出店を開始した頃、展開を進めていたモール事業者から出店の声がかかる。「1つ目のオファーは、遠く離れた札幌のイオンからでした。断ったら次はないかもしれないと思い、出店の決断をしました。その次のオファーは熊本からでしたが、それも即決し、順に店舗数を増やすことができました。エリアに関係なく店を出すことができたのは、セントラルキッチンをもたなかったからです」。

同社では、店舗でのオペレーションについても、属人性を残した運営を実施している。例えば、店舗での製麺では、技術を認定する制度を設け、『職人』を育成する。マニュアルはあるが、経営理念でもある「すべてはお客様のよろこびのために」なるよう、自ら考えて行動することを基本とした。

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