落合陽一氏が「ビジネス」にも力を注ぐ理由 魔法技術を事業化へ

メディアアーティストや大学の研究者として活躍しながら、2015年に会社を立ち上げ、CEOに就任。落合陽一氏は、テクノロジーベンチャーの「経営者」として、何を目指すのか。先進テクノロジーの事業化や成長戦略、今後のビジョンについて話を聞いた。

落合 陽一(ピクシーダストテクノロジーズ CEO)

――2015年にピクシーダストテクノロジーズを立ち上げられました。なぜ、実ビジネスにも力を入れるのですか。

落合 社名のピクシーダストテクノロジーズとは「魔法技術」を意味し、魔法のように生活に溶け込むコンピュータ技術を表しており、自らの会社で自分の研究成果を社会に実装していきます。

日本の大学は、基本的に研究成果を事業化しません。また、企業と共同研究する場合でも、大学の研究者側はリスクをとっていません。

僕は2017年12月、「デジタルネイチャー推進戦略研究基盤」を筑波大学内に設立しました。それに伴い、筑波大学助教を退職し、同基盤の代表・准教授として改めて筑波大学に着任しました。国立大学の中に、自らが経営する企業と大学の共同研究室をつくったのです。

一般的に、大学で産まれる知的財産権は、大学に帰属します。ピクシーダストは、デジタルネイチャー推進戦略研究基盤とも共同研究を行っており、それは大学での研究成果に基づく知財を、新株予約権を梃子にしてピクシーダストに譲渡する契約になっています。日本では、これまでにない産学連携スキームです。

自らリスクをとり、新しい産学連携のモデルを実践しながら、知財やプロダクトを社会に実装する。このピクシーダストの活動は、全体で1つの「社会彫刻」のような作品だと考えています。

今後5年で音や光の技術を事業化

――ピクシーダストは2017年10月、インキュベイトファンド等から総額6.45億円の資金を調達しました。VCからも資金を得て、今後5年~10年で収益面でも結果を出すことが求められます。

落合 最初にマーケットに投入されるのは、おそらく音の技術です。空中に超音波焦点を形成し、その焦点でのみ可聴音を発生させる技術を研究開発しています。

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