2018年4月号

起業家医師の挑戦

医師の目線で新サービスを構想 開業医のためのプロジェクト研究

前田 裕輔(メドプラ CEO・医師)

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臨床医としての経験から、多様なサービスを顧客ごとに組み合わせて提案するコンシェルジュサービス「メドプラ」。事業構想を構築したCEO前田裕輔氏に話を聞いた。

前田裕輔 メドプラ CEO・医師 第1期 開業医のためのプロジェクト研究修了生

医師チームがサービスを選定

メドプラは、SNSやオンライン診療を利用して個人の問題に沿った医療・ヘルスケアサービスを提供する会員制の事業。最先端医療から伝統医療まで、会員のニーズに関連する商品とサービスを取り揃え、最善の組み合わせを行い、プランを提案する。

前田氏は、会員の健康に関する悩みや希望に応える相談窓口となり、次世代のかかりつけ医のようなサービスに成長させたいとしている。

医療界の枠を超えた
「構想力」と「縁」を得る

医学部卒業後、勤務医として働くなかで現在の医療制度では患者さんの「不安」に応えきれない、むしろ不安を煽ることさえあるという状況に課題を感じていた前田氏。いったん臨床現場を離れ、大学院で予防医療や地域包括ケアを学ぼうと考えていたところに出会ったのが事業構想大学院大学だった。学んだことを、事業を通じて社会に還元できる点に魅力を感じ、本大学院を選んだという。

大学院では、教授や院生たちとのディスカッションを通じて自らの問題意識を深掘りし、事業によって社会課題の解決が図れるかまでを考えて構想を練っていく。医療系の大学院ではなく事業構想大学院大学を選んで得たものを前田氏はこう語る。

「医学教育では"批判的吟味"という思考法を叩き込まれます。人の生命にかかわる治療を行うときには、大量の情報を吟味し、批判的にみながら患者個人の状況と照らし合わせて治療の選択肢を絞り込んでいくのです。しかし、事業構想は世の中にないものを形にするという点で、広い視野を持ち、考えを広げていくことが求められます。対極の思考法を身につけられたのはよいことでした」

また、多様なバックグランドを持つ教授陣・院生たちと授業をともにするなかで得た「縁」も、医療の世界にいるだけでは得られなかったものだという。

「ビジネスの第一線で活躍する教授陣や、エンジニアやITコンサルタント、投資家など、多彩な職業の院生とのつながりができたことで、入ってくる情報や考え方の幅が広がりました。医学以外のカリキュラムも学べたことは大きな収穫でした」

キャリアの選択肢としての起業

患者さんの不安に応えたいという問題意識から事業を立ち上げた前田氏だが、勤務医として働くなかで感じた問題意識はもうひとつある。

「働き方改革が話題ですが、医師の働き方も問題が多いと感じています。言葉を選ばずに言えば、心から喜びを感じながら働けている医師はあまり多くないのではないでしょうか。医師である自分が起業することで、臨床医でも研究者でもない、新しい働き方を提案できると考えています」。サービスの本格展開を進めるとともに、事業で構築したプラットフォームを、蓄積したノウハウを共有する学びの場とし、その学びを活かして働ける仕組みにまでつなげていきたいと語る前田氏。起業家医師の挑戦は、多くの若手医師の刺激になることだろう。

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