エネルギー改革が引き金 メキシコでクリーンテック起業が急伸

メキシコでクリーンテック(次世代環境技術)分野の起業が活発化している。背景にあるのが、政府が2013年から推進するエネルギー改革だ。国家独占されていたエネルギー産業が外資を含む民間企業へ開放されたことがきっかけに、クリーンテック市場の形成が進む。

メキシコの首都メキシコシティの街並み

この数年間で、メキシコは文化面でも経済面でも大きく変化している。その要因はイノベーションとアントレプレナーシップだ。

世界経済フォーラム(WEF)によると、メキシコは"効率主導型経済"国家とみなされている(注:同フォーラムが各国の経済の発展段階を分類したもの。イノベーション主導型経済・効率主導型経済・要素主導型経済の順で発展度が高い)。しかし、確かにメキシコは高度教育や社会制度面で改善の余地はあるものの、政府と民間部門の努力によって、急速に"イノベーション主導型経済"に移行している。

これは、メキシコ政府がアントレプレナーシップ創発のための施策を強力に推進しているためだ。政府は2013年にNational Entrepreneurship Institute (INADEM)を設立した。INADEMは経済産業省、国家科学技術会議、エネルギー省と協力して、メキシコにおける起業環境の整備や、新技術や生産効率改善に繋がる技術の開発を進め、知識基盤経済を創造することを目的としている。設立以来、INADEMのインキュベーションプログラムを企業8,500社が利用し、16億ドル以上の資金が提供された。

この結果、若い起業家や新興企業がメキシコ経済に活気をもたらすようになった。現在、金融・エネルギーセクターや製造業、サービス業、教育業など、さまざまな産業で起業が相次いでいる。

メキシコ政府は起業家育成のためINADEMを設立

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