2016年1月号
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アスリートが地域を変える

ドイツに学ぶ『総合型地域スポーツクラブ』の運営

坂本 健二(元・ブンデスリーガ公式サイト編集者、DFB・エリート・ユース・ライセンス保持者)

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ドイツにはおよそ100年弱の歴史をもっている地域スポーツクラブが多い。日本と比較したとき、単に年月の差だけではなく、クラブの形態においても違いが存在する。今、日本がドイツから学ぶべき点は何だろうか。

練習や試合で汗を流した後に憩うクラブハウス(写真はテラス席)。地域での横のつながりを育むためには絶対に欠かせない場所

日本では指導者がクラブを創設し、そのまま代表も兼ねているクラブが少なくないだろう。ドイツでのクラブ幹部の選出方法は、年次会員総会にて選挙(任期2年が一般的)が実施される。私自身も地元クラブで7つのユース・チームを預かるアカデミーダイレクターに選出され、毎月開催されたクラブ幹部会議へ出席した。

年次会員総会へ出席した際、いきなり驚くべき光景に遭遇した。会の冒頭でこの一年間で亡くなった会員たちの名前が読み上げられ、参加者全員が起立して黙祷を捧げたからだった。生まれ、育ち、働き、やがて朽ちていく。クラブ会員のままお墓へ入っていく人たちの存在を知らされ、クラブの歴史の長さに圧倒され頭を殴られたような衝撃を受けた。

地域スポーツクラブの会計における工夫

ドイツのクラブでの一般的な年会費は、55ユーロ~120ユーロ(約7,345円〜16,026円)で、日本と比較すると圧倒的に安価である。クラブの収入源は主に、会員の年会費、郡庁と市町村からの助成金、クラブハウス(レストラン)賃貸料、スポンサー及び寄付などである。

郡庁からの助成金においてはポイント制が導入されていて、選手数、ドイツ人以外の会員の有無、指導者ライセンスを持った指導者の数などにより算出され、合計ポイントに応じて助成金額が決定するシステムとなっている。クラブハウス賃貸料とは、レストラン施設を借りている個人/企業からの収益のことであり、まれにクラブ自身がレストラン経営をしている場合もある。

注目すべき点は、指導者がライセンスを所有していると前出のポイントが多くなるため、クラブが指導者へ資格の取得を促すことが多いことだ。講習会にかかる費用をクラブが支払ってくれるのだ。良い指導が現場に具現化するよう、システムの中で良い循環が成立している。

アマチュアの団体スポーツにおいて、日本ではユニフォームの個人持ちが多いが、ドイツでは全てクラブ持ちだ。1チーム分のユニフォーム代金を支払ってくれるスポンサーを探して、胸にその広告を入れるのが一般的。この場合スポンサーを得ることの難しさはあるものの、ユニフォーム調達の際、クラブへの金銭的負担が軽減される。この方法は、個人で所有しているトレーニングウェア、ウィンドブレーカー、練習着にも使われている。

例えば日本のサッカーでは、ユニフォームへの広告掲示に対して年度毎の協会への申請が義務づけられているが、トレーニングウェアなどにはこの規制がないため、ドイツ同様の方法は日本でも活用可能である。

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