「経営理念」の全体像を深掘り

今回は、前回に続き「一連の落とし込みプロセス」の勘所を味得するために、その〈PARTⅡ〉として、3つの図表を活用しながら、(2)長期ビジョンから(3)中期戦略計画への落とし込みの勘所を3点に絞り込んで解明します。

「中期戦略計画」づくりの勘所「現状否定」をトコトン推進

第2回(9月号)の中見出し「"中期戦略計画"への落とし込み」の冒頭のクダリでも述べたように、「3点セット方式型」アプローチの第2点は、「長期ビジョン」の「中期戦略計画」への落とし込みです。

第1回(8月号)の最初の図表が示すように、「2025年を対象とする長期ビジョン」を実現するためには、「2013-15年を対象とする中期戦略計画」を経由して、「2013年を対象にする年度実行計画」に落とし込む、というプロセスをシコシコと実践することが不可欠です。

ある意味では「長期ビジョン」は「経営の夢・ロマン」という側面を持っていますが、このプロセスが上手く機能しないと、それこそ" A dream nevercomes true."になってしまいます。

「夢変じて悪夢となる」の事例です。

「小が大を飲む」と表現されたように、世界の板硝子産業の中で、第4位のPilkingtonを買収した同7位の日本板硝子が、その後に経営挫折に追い込まれた事例を思い起こして下さい。

さて中見出しに戻ると、勘所(1)は「現状否定をトコトン推進・現状延長をトコトン追放!」です。上段の最初の図表の中の矢印の方向が示すように、「2013-15年中期戦略計画」に対する方向指示(実線の矢印→)の発信点は「2025年ビジョン」なのであり、「2013年・年度実行計画」ではないのです。

すなわち、2025年の自社の目的像・標的像を実現するためには、(1)2015年時点での中間標的像をどう構築・実現するか、(2)そのためには2013年時点での現在の標的像をどう実現するか、という発想なのです。

こうした発想の原点が、図表1です。

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