「経営理念」の全体像を深掘り

今回は、第2回で記した「一連の落とし込みプロセス」の勘所(勘所)を味得(みとく)するために、そのPARTⅠとして、2つの図表を活用しながら、(1)「経営理念」づくりの勘所、(2)「長期ビジョン」への落とし込みの勘所、この2点に絞り込んで解明します。

「経営理念」づくりの勘所 トップの本音を抉り出す

9月号の冒頭でも述べたように、「自社の経営理念」=「自社の経営の志」は、そのトップの経営の志、その志の背後にある心、トップの経営観、世界観、経営哲学─信条」に由来します。

したがって、「経営理念」づくりの勘所は、小見出しのサブタイトルに示したように、「トップの本音を抉り出す」ことにあります。

オフィスパ―スンが平日の勤務に際して一般に着用するワイシャツになぞらえるならば、そのステップこそが第1ボタンなのです。それをかけ違えたら、第2ボタン以降でどんなに努力を試みても、「サマ」にはなりません。

さて、この「トップの本音を探りだす」というプロセスは、現実の企業における人間行動としては、そんなに容易い(たやすい)作業ではありません。

筆者の体験では、「社内外の聞き上手なインタビュ―ア―」を探し出すことが肝要です。しかも、マスコミの社長対談とは異なり、その彼・彼女は、自社の経営のエッセンス─特に経営理念の仕組みのエッセンス─に関して、一定レベル以上の体得力の持ち主であることが肝要です。

その要件を抽象的に要約すれば、「人間性が豊かな社内外のスペシャリスト」になるでしょう。そうなると、「鐘と太鼓」がいくらあっても足りないことになりかねません。

さて、幸にして「鐘と太鼓」のお陰で、その彼・彼女が見つかった場合に、あくまでも1例に過ぎませんが、トップの本音を探りだす際に準拠するべき枠組みは下図の通りです。

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