関西から広がる韓日協力 Kブランドがつなぐ文化と産業 経済連携と新規事業創出へ加速
(※本記事は経済産業省近畿経済産業局が運営する「公式Note」に2026年8月7日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

近畿経済産業局では、万博を契機に交流が深まった、主に関西に立地する総領事館・領事館との関係を一層強化し、関西と世界をつなぐ交流の促進に取り組んでいます。
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今回は、駐大阪大韓民国総領事館の金志妍領事に、万博の成果と関西での今後の展望を伺いました。なお、本記事の内容は、インタビュー実施時点(2026年5月)の情報に基づいています。また、掲載している写真は、駐大阪大韓民国総領事館よりご提供いただいたものです。
Kブランドを軸に、文化・観光・産業を一体発信
Q:万博期間中の最も重要な成果は何でしたか?
万博を通じて韓国館には延べ317万人が来場し、韓国の伝統文化、現代文化、産業の魅力を総合的に発信することができました。そして何より、2025年が韓日国交正常化60周年という節目の年であったことも踏まえ、韓日両国の友好関係を良く示せたことが意義深かったと考えています。実際、ナショナルデーにおいては、韓日双方の要人の出席のもと、伝統公演など多彩なプログラムが実施されたほか、韓日友好晩餐会では、両国の料理や酒を組み合わせたメニューが提供されるなど、両国の文化の調和による新たな価値を創出でき、両国の関係が一層深化していることを強く印象づける機会となりました。
また、私たちは、韓流と観光、産業を個別に切り分けるのではなく、Kブランドを軸に連動して推進しており、その象徴的な取組として実施したのが「韓国優秀商品展」です。同展示会では、韓国企業の新技術や先端技術とともに、観光、食品、Kビューティー、リビング関連の商品を展示し、韓国の技術力と文化的魅力の双方を体感できる場を創出しました。開催期間はわずか3日間でしたが、延べ1万6000人が来場し、韓国の先端技術や消費財が日本の日常生活の中にも自然に馴染み得ることを示し、Kブランドの持つ創造的な価値と可能性を改めて示す機会となりました。これは、今後の両国間における経済・文化交流のさらなる発展に向けた重要な成果であると感じています。
こうした取組を実現する上では、KOTRA大阪貿易館、韓国観光公社大阪支社、aT(韓国農水産食品流通公社)をはじめ、韓国コンテンツ振興院や大阪韓国文化院など、大阪に集積する韓国の政府・公的機関の拠点が大きな役割を果たしました。駐大阪大韓民国総領事館は、こうした関係機関をつなぐ調整役として、限られた空間や時間の中で、全体として調和のとれた場となるよう尽力しました。万博後は、関西地域における韓日協力の重点分野として、ヘルスケアやエネルギー関連分野への関心が一段と高まっています。今後は、万博で発信した分野をさらに具体化し、テーマを絞った行事やビジネス交流を展開していきたいと考えています。

文化をともに楽しむことで深まった相互理解
Q:印象的なエピソードや取組があれば教えてください。
特に印象に残っているのは、ナショナルデーにおける文化公演で披露された舞踊です。1400年前に百済から渡来し、日本に伎楽(ぎがく)を伝えたとされる味摩之(みまし)を題材とした演目を通じて、いわば韓流の原点の一つともいえる歴史的物語を紹介しました。会場には多くの来場者が集まり、公演後には感動した様子で会場を後にする姿も見られました。こうした光景から、K-POPや韓流ドラマだけでなく、韓国の伝統文化もまた関西の人々に親しみを持って受け入れてもらえることを実感しました。
また、朝鮮通信使を再現した行列も非常に印象深い取組でした。ナショナルデーにあわせて、再現された朝鮮通信船が万博会場近くに入港し、会場では伝統音楽や文化が披露されました。ナショナルデーの式典自体はどうしても参加者が限られてしまいましたが、この行列では会場全体で文化を共有する形となり、来場者との距離が非常に近い交流の場が創出されていたのが印象的でした。文化を通じて人々が同じ空間と時間を共にするその光景は、韓日両国が相互に理解し合い、自然に楽しむ関係を象徴するものと感じました。
さらに、韓日友好晩餐会に大阪市長が出席され、開催日である5月13日がご自身の誕生日であることに触れながら、「誕生日に韓国料理を楽しむことができ、大変うれしい」と話してくださったことも、個人的には強く記憶に残っています。食や文化を通じた交流が、人と人との距離を縮め、韓日関係をより身近なものにしていることを感じた出来事でした。

「関西韓日経済フォーラム」を軸に、関西から韓日協力を次の段階へ
Q:万博での取組も踏まえ、関西の強みや今後の協業可能性をどのようにお考えでしょうか?
万博を通じて、いま日本において世界とつながる窓口、つまり重要な国際ハブ機能の一翼を担っているのは大阪・関西であるということが、より明確に示されたと考えています。実際、2025年に大阪を訪れた外国人は1,760万人に達し、過去最高を記録しました。また、関西には、京都の任天堂をはじめとする先端技術を有する製造業が集積していますし、万博においても、空飛ぶクルマや自動運転バスなどの次世代モビリティ技術を通じて、未来社会の実装に向けた力強い発信が行われました。
こういった産業の集積に加え、私が関西の大きな魅力だと感じているのは、人々の活発さと積極性です。大阪・関西の人々が持つ開放的で前向きな雰囲気は、産業や観光、国際交流など幅広い分野において、今後も大きな推進力になっていくのではないでしょうか。都市の魅力と先端技術が相乗的に作用することで地域の競争力が高まる時代において、関西はその代表的な地域になり得ると感じています。
今後の具体的な協力の場として、総領事館が近畿経済産業局とともに毎年開催している「関西韓日経済フォーラム」を一層発展させていきます。再生可能エネルギーやヘルスケア分野に対する韓国企業の関心は高く、これらの分野を中心に、韓国と日本、特に関西の企業同士の連携につながる場にしていきたいと思います。また、単なる意見交換にとどまらず、共同研究や共同事業、新規プロジェクトの創出といった具体的な成果につながる協力へと結びつけていくことが目標です。そのために重要なことは、官民双方が韓日経済協力について率直に議論できる場を継続的に確保することであり、交流を契機として企業が新しいアイデアやパートナーを得て、そこから次の事業創出へと結びついていく好循環を生み出すことが、私たちの目指す姿です。

元記事へのリンクはこちら。
- 近畿経済産業局 公式note