光コネクタ部品世界シェア2位メーカーが挑む、AIと複業人材による革新

(※本記事は「協働日本」に2025年5月8日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

株式会社白山の金原 竜生氏

協働日本で生まれた協働事例を紹介する記事コラム「STORY」。

実際に協働日本とプロジェクトに取り組むパートナー企業の方をお招きし、どのようにプロジェクトを推進しているのか、インタビューを通じてお話を伺っていきます。

今回は、株式会社白山の金原 竜生氏、坪本恵理奈氏にお越しいただきました。

株式会社白山は、1947年に創業した通信部品メーカーです。黒電話を雷から守る「保安器」の製造からスタートし、現在では光通信に欠かせない光コネクタ部品を手掛ける企業へと成長。光コネクタ部品では世界シェア2位を誇る企業です。

AIを活用し、記事作成・トラッキング・ペルソナの可視化までを可能にする標準プロンプトを構築。SNS発信を、従来の情報提供から“営業を引き寄せるコンテンツ”へと進化させる取り組みに挑戦しています。

今回のインタビューでは、協働日本との取り組みで得た変化、組織としての意識の変化、今後の展望について、率直に語っていただきました。

(取材・文=郡司弘明・山根好子)

属人化していた業務を、仕組み化へ。未経験メンバーとの挑戦

——本日はよろしくお願いいたします。まずは、協働日本との出会いや、プロジェクトが始まったきっかけについて教えてください。

金原竜生氏(以下、金原): よろしくお願いいたします。

坪本恵理奈氏(以下、坪本): よろしくお願いいたします。

金原: 当社は1947年に創業し、当初は”黒電話”の雷対策用「保安器」の製造を行っていました。そこから時代が進む中で、現在では光データセンター向けの光コネクタ部品「MTフェルール」などの製造が主力事業になっています。

そんな当社が協働日本と出会ったきっかけは、プライベートの知人であった山岸製作所の山岸社長からのご紹介でした。複業人材の活用により「面白いことをやっている」という話を聞いて興味を持ち、ちょうど協働日本代表の村松さんのセミナーがあるので来てみないか?とお誘いいただいたため、すぐに参加を決めました。

実際にセミナーでお話を伺うと、非常に興味深い仕組みだと感じ、ぜひ自社でも何らかの活用ができないかと考えていました。

それから1年ほど経ち、2024年の11月頃に私の所属するグローバルマーケティング室に坪本がジョインしました。これまでマーケティングは私が一人で担当しており、仕事量も多く属人化していたため、業務の仕組み化・体系化が急務だと感じていました。

これを機に外部人材に入ってもらうことでチームとして一緒に学びながら業務を進めていけそうだと感じて、改めて村松さんにご連絡させていただき、協働が始まりました。

——ずっと活用を検討いただいていたのですね。

金原: ちょうど、石川県の「令和6年度プロフェッショナル人材確保支援事業」で、デジコーチの伴走支援の募集が始まったのもいい機会でした。

以前から「Linkedin」などのSNSを使って企業の情報発信をしていたのですが、前述の通り私が一人で取り組んでいましたし、海外出張も多かったこともあり継続的な発信を続けることが難しく、「仕組み化して継続的にやっていきたい」という思いがありました。その頃、会社HPの方のコンテンツ記事の下書きをAIで作るということも試してみていて、時短になったという肌感があり、SNSでの情報発信とデジコーチのコンセプトも親和性が高いだろうと感じていました。

そういった背景から、メンバーが増えるタイミングに合わせ、デジコーチでAIを活用したLinkedinでの情報発信を進めていくことになりました。

金原 竜生氏、坪本恵理奈氏

半日かかっていた記事作成が、1〜2時間に短縮。顧客に響く記事作成を実現。

——実際に協働プロジェクトが始まってからのお取り組みについても教えてください。

金原: はい。協働プロとしては、横町暢洋さん、松本亜也さんに入っていただいています。

元々私が発信を担当していた頃も、0ベースで記事の内容を考えていたので記事作成に時間がかかり、個人の動きとしても限界を迎えていたのが正直なところです。ましてや坪本は他業界からの転職ということもあり、全く知識がないところからのスタートだったので、もっと苦労をしそうだということは想定できていました。

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