ペロブスカイト太陽電池 身近な発電がもたらす意識改革

軽量薄型の太陽光発電装置であるペロブスカイト太陽電池。弱い光でも身の回りの電化製品に十分な電力を供給できることから、家庭内やオフィスでの利用が期待される。散歩のついでに発電する、DIYでも設置可能であるなど、再生可能エネルギーを身近に感じさせる効果もありそうだ。

2024年は、ペロブスカイト太陽電池の研究開発が社会実装に向けて大きく舵をとる年となる。2024年5月29日には、ペロブスカイト太陽電池の導入拡大に向けて第1回の官民協議会が開催された[1]。地方自治体をはじめ多くの事業者がペロブスカイト太陽電池の導入に大きな関心をよせている。脱炭素化を目指す国際情勢に加えて、世界の不安定なエネルギー事情や電気料金の高騰を背景として、国産の再生可能エネルギーの導入が大きな期待としてあげられている。

太陽光発電は、かつては日本製の太陽電池が世界を席巻していたが、近年では中国製の太陽電池にそのシェアを奪われている。東日本大震災以降、日本各地でメガソーラーの建設が進んだが、その急速な普及は森林の伐採などの新たなる環境問題や、廃棄に伴う問題も懸念されている。その一方で、これまで以上の脱炭素化にむけて二酸化炭素の排出量の削減を進めるためには、再生可能エネルギーである太陽電池の導入を進める声がますます高まっていることも事実である。そのような社会情勢で注目されるのが、我々の生活スタイルにも脱炭素を浸透させる「ペロブスカイト太陽電池」である。

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