凸版印刷の新事業開発と人材育成 期待を超える価値創造企業に

印刷業から始まった凸版印刷は現在、DXやSX、BPRなど幅広い分野の事業を展開している。そのビジネスは顧客の要望に応える従来の形から、顧客の潜在的なニーズを掘り起こし、その期待を超える、新しい付加価値を提供するものへと変化している。

麿 秀晴(凸版印刷 代表取締役社長)

3分野の事業に横串を刺し
オールトッパンの資源を活かす

1900年(明治33年)創業の凸版印刷は、当時の大蔵省印刷局で最新の印刷技術を学んだ技術者らによって設立された。

「元は大蔵省から出たベンチャー企業と言えます。紙幣の偽造防止やセキュリティの観点からヨーロッパの最先端テクノロジーを取り入れ、事業が始まりました。ですから、テクノロジーオリエントな会社としての種があり、培ってきたノウハウや経験、サービスの基には印刷技術があります」。

凸版印刷代表取締役社長の麿秀晴氏は、このように同社の歴史を振り返る。現在、展開している事業は、大きく3分野に分けられる。(1)情報加工とマーケティングソリューションを軸に、戦略立案や企画・製造、インフラ構築などを提供する「情報コミュニケーション」、(2)総合的なパッケージングソリューションや建装材を中心に、快適で安心な生活のための様々な製品・サービスを開発する「生活・産業」、(3)ディスプレイや半導体の関連製品など、印刷技術をベースとする「エレクトロニクス」だ。さらに、他にも新しい社会的価値を創出するために取り組んでいる様々な事業がある。

「印刷業は受注産業で、お客様の要望に応えて信頼関係を築いてきました。しかし、現在は私たちがお客様の潜在的なニーズを見つけ、お客様の期待を超えるモノやサービスを提供しなければいけない時代です。その際、オールトッパンで持つリソースを活かすため、3分野の事業に横串を刺して連携させようとしています」。

凸版印刷の顧客となる企業は皆、コアとなる技術やサービス化の要素を持っている。そこで各社のコア技術やリソースを活かし、凸版印刷のコア技術とつなげ、新しいサビスを生み出すことに取り組んでいる。その際、「飛び地」となる新たな分野に進出する場合も、「細い線でつながる飛び地」で自社の強みを活かす。

さらに近年は、ベンチャー企業への投資も積極的に行っている。投資先は、国内外の50社以上に上り、主な目的は、事業シナジーや新事業に必要な技術・ノウハウの獲得にあるという。

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