周防大島とアストモスエネルギー CN-LPG導入で環境・防災対策

アストモスエネルギーは、採掘から燃焼までの間に発生する二酸化炭素(CO2)をCO2クレジットで相殺し、CO2排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルLPガス(CN-LPG)を取り扱っている。山口県周防大島町は自治体で初めてCN-LPGを導入し、環境・レジリエンス対策を進める。

藤本 淨孝 山口県周防大島町長(左)、
山中 光アストモスエネルギー 常務取締役 国内事業本部長(右)

CO2クレジットによる相殺で
CO2排出量を実質ゼロに

周防大島町は人口1万5000人弱の自然豊かなまち。周防大島は瀬戸内海で3番目に大きな島。町ではカーボンニュートラルや海洋汚染への対応、そして瀬戸内海に浮かぶ島という環境を踏まえた防災対策を推進している。2022年9月には、アストモスエネルギーが取り扱うCN-LPGも導入した。

CN-LPGを導入した周防大島町役場大島庁舎・大島文化センター

周防大島町は自治体で初めてCN-LPGを導入、証書が授与された

アストモスエネルギーは2006年に出光ガスアンドライフ、三菱液化ガス、三菱商事LPガスユニットの統合によって設立された。LPガス輸入元売り事業を展開し、LPガスの取扱量・貿易量では世界の約10%、国内の販売シェアでは約25%を占める。

CN-LPGは、採掘から燃焼までのライフサイクルで発生するCO2を、世界各国の環境保全プロジェクトによって創出されたCO2クレジットで相殺し、CO2排出量を実質ゼロにしている。クレジットを創出する環境保全プロジェクトは、世界規模の温室効果ガス削減や排出抑制に加え、現地の雇用創出や生物多様性保護など「持続可能な開発目標(SDGs)」にも関連するものだ。

「現在、利用中のエネルギーをCN-LPGに転換すれば、エネルギー利用に伴うCO2排出をすぐに実質ゼロにできます。LPガスを利用する事業所では、設備はそのままでこれを実現できます。重油などを使っている事業所は、ボイラーや炉、燃料タンクなどをLPガス用設備に転換すれば、同様の効果が得られます」。アストモスエネルギー常務取締役で国内事業本部長の山中光氏は、こう説明する。

アストモスエネルギーによるCN-LPGの自治体への供給は、周防大島町が第1号だ。町では庁舎や給食センターなど計7施設の給湯設備やガス空調用設備でCN-LPGを導入し、2022年9月から2023年3月末までに1万2千kgのCO2排出を削減できることになった。

「LPガスは事業所敷地内にタンクなどを設置して利用するガスで、分散型エネルギーという特徴があります。敷地内にエネルギーが常備されるため、災害など非常時のためのエネルギー備蓄にも活用できます。国内で都市ガスのパイプラインが敷設されているのは国土面積の約5%のみですが、LPガスでは残りの95%に供給が可能です」(山中氏)。

身近なところですぐに
取り組める有効な排出削減

周防大島町のCN-LPG供給は、地元でガソリンスタンドやLPガスの供給・販売事業などを展開する小松物産を通じて行われている。全国的に2050年のカーボンニュートラルという大きな目標が掲げられる中、町ではこれまで様々な取り組みを進めてきた。それらは例えば、町営施設での節電活動や庁舎の太陽光発電設置、LED導入などだ。

しかし、これらによるCO2排出削減には限界がある。「身近なところで今すぐ取り組める有効な取り組みを探していたところ、CN-LPGをご提案いただき、ありがたい思いでした」と周防大島町長の藤本淨孝氏は言う。

「CN-LPGは今までのガスの設備を何も変えずにすぐ利用でき、非常に進めやすい環境対策だと感じます。町では、海に囲まれて緑が多い島の環境を、可能な限り守りたいと思っています。CN-LPG導入を機に、今後は町民の環境意識向上や学生の環境教育にも力を入れていきたいです」(藤本氏)。

周防大島の南沖には、世界最大規模のニホンアワサンゴ群生地が広がり、2013年には海域公園地区に指定されている。町は現在、県や環境省と共に、この付近で自然体験や環境学習ができる施設「地家室園地(じかむろえんち)」の建設を進めており、2023年4月にオープンする予定だ。施設はニホンアワサンゴの生態を学ぶことを中心に環境学習やアクティビティを楽しめる拠点にし、町の環境保全のランドマークとなる場所にしたいという。

また、町では他の自治体に先駆けてCN-LPGを導入し、カーボンニュートラルへの大きな一歩を踏み出したことを、町外に向けてもPRしていく方針だ。「CN-LPGを他に先駆けて導入したことで『環境と言えば周防大島町』と認識してもらえるような取り組みを、今後、町民の皆様と共に作り出していきたいです」と藤本氏は狙いを話す。

災害時の避難所でLPガスを
空調に活用できるGHPも

一方、町では今年度の町政の重点施策に防災対策を掲げ、様々な施策を進めている。その1つが、町内18カ所に防災倉庫を設置し、避難所生活での最低限の資機材を収納する取り組みだ。「これにより、災害時にはほとんどの町民が緊急対応の資機材を活用できると考えています。防災倉庫内の資機材に加え、万が一の時もLPガスのエネルギーを活用できれば、調理や暖を取るなど大事なことをカバーできるはずです」(藤本氏)。

災害対策では、避難所でLPガスを使ってエンジンを稼働させて冷暖房ができる「ガスエンジン・ヒートポンプ・エアコン(GHP)」が現在、全国の小・中学校体育館などに多数、導入されている。通常は体育館でのクラブ活動や地域の活動を行う際の空調として利用でき、災害時には体育館が大事な避難所となるため、非常用にも活用できる。GHPには停電対応型の機種もあり、停電時も敷地内のLPガスを使った空調が可能になる。

山中氏は、「古くて新しいLPガスという分散型エネルギーは、地域を支えるエネルギーだと考えています。LPガスの災害時の強さやサステナビリティも含め、全国の自治体で役立てていただきたいです」という。

エネルギーに関しては昨今、価格が高騰しており、周防大島町でも今後、価格がどうなっていくのかは、町民の大きな関心事となっている。同時に、エネルギーの保全の重要性が改めて強く認識されている。

日本のエネルギー消費の6~7割は、民生用や産業用を中心とする熱利用が占めている。このため、アストモスエネルギーでは、特に熱利用のような電力以外の領域で安定的にLPガスを供給し、エネルギー保全や災害対策、そしてカーボンニュートラルに貢献していくことを目指す。

 

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