アイテム数九州No.1の高杉製薬 基礎化学薬品の深堀りに活路を見出す

福岡県に本社を置く化学薬品メーカーの高杉製薬。医薬品、高純度薬品、食品添加物、工業薬品などの幅広い化学薬品を扱い、アイテム数は九州No.1の300種類を超える。100周年を前にグローバル企業としての知名度アップを目指す同社の構想について、代表取締役社長の髙杉義明氏に聞いた。

髙杉 義明(高杉製薬 代表取締役社長)

九州の老舗化学薬品メーカー

2025年3月で創業から97年目を迎えた高杉製薬は、ニッチな分野で強みを磨き上げた化学薬品メーカーの老舗だ。創業家は先祖を遡れば、福岡県・太宰府の天台宗の僧坊を受け継いで来たが、代々の住職は造り酒屋から養子として送り込まれて来た。明治の世となり、現社長の高祖父である義彦氏が還俗し、その子義祐氏は博多に出て薬品問屋に勤務、その後独立した由である。現在の高杉製薬は義祐氏の次男である義照氏(現社長の祖父)が1929年に創業している。

「私の祖父義照は独立精神旺盛な二男坊で、父親と長兄の薬品事業から、のれん分けもせずに起業したそうです。自前の設備で蒸留水やシロップ、クレゾール石鹸液、アルコール類などを小分けして販売するところからスタートして、戦後の1948年に法人化。バッテリー用の硫酸や染料用の芒硝、写真用炭酸ナトリウムなど、様々な工業薬品の取り扱いを増やしながら戦後の復興需要に応えました。そして1963年に工場を福岡市の隣町の粕屋町に移転し、高度経済成長期には化学メーカー、歯磨きメーカー、電池メーカーなどの下請けも引き受けながら、事業を拡大してきました」と三代目社長の髙杉義明氏は語る。

高杉製薬本社の外観

付加価値向上で成長し
自社ブランドの確立へ

髙杉氏は銀行勤務を経て、1992年3月に同社に入社。二代目社長である父・信義氏には、減少していた下請け事業から撤退しながら自社ブランド商品への傾注を提案していった。

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