明光ネット 全世代を対象に、人の可能性をひらく企業グループへ


明光ネットワークジャパンは1984年の創業以来、個別指導塾のパイオニアとして「明光義塾」を全国展開。近年は学童保育や日本語学校なども運営し、多角的な教育事業に取り組むほか、人材紹介・研修事業やデジタルマーケティング事業で社内発ベンチャーも立ち上げ、新規事業を推進している。

岡本 光太郎
(明光ネットワークジャパン 代表取締役社長)

個別指導型の明光義塾で
全国に約1700教室を展開

明光ネットワークジャパンの前身は、1984年に個別指導型学習塾の全国フランチャイズチェーン展開を目的に設立されたサンライト。同年、「明光義塾」のフランチャイズと直営教室による運営を開始した。1986年には、社名を現在の明光ネットワークジャパンに変更している。

「個別指導塾というジャンルを立ち上げたパイオニアであり、明光義塾は現在、北海道から沖縄まで全都道府県に約1700教室があります。生徒数は10万人を超え、個別指導型学習塾ではNo.1の規模になっています。海外でも韓国、台湾で展開しており、それらを合わせると教室数は2000を超えます」。代表取締役社長の岡本光太郎氏は、こう説明する。

明光義塾は、それまで集団指導が中心だった学習塾に個別指導の概念を導入した

現在は明光義塾を中心に、複数の教育ブランドを展開。自立学習塾「RED」は、最新のAI(人工知能)タブレットを使って「自分から勉強する力」を育てる学習塾だ。また、共働き家庭の増加で学童保育のニーズが高まる中、送迎・学習付き学童保育「明光キッズ」のほか、英語の様々なカリキュラムを通じて、楽しみながら生きた英語力を身につけられる「Meiko Kids e(明光キッズe)」も運営している。

REDは、AIタブレットを使って、児童・生徒それぞれの弱点を克服する自主的な学習機会を提供する塾

共働き家庭の増加で高まる学童保育のニーズの受け皿となる送迎・学習付き学童保育「明光キッズ」

2014年と2016年には日本語学校を運営する早稲田EDUと国際人材開発を子会社化し、日本で進学や就職を目指す留学生を対象とする日本語教育事業も行っている。さらに2022年にはデジタルマーケティングとDX事業を行うGo Goodと、キャリアチェンジ支援事業や人材紹介・研修事業を行う明光キャリアパートナーズを社内発ベンチャーとして設立した。

コロナの渦中にパーパスを策定
『やればできる』の記憶をつくる

明光ネットワークジャパンでは2024年11月、創業者の渡邉弘毅氏(現・最高顧問)が取締役会長を退任した。創業以来40年間にわたって渡邉氏によるカリスマ的な経営が続いてきたが、現在は組織経営への移行を進めているところだ。「今後は100年企業に向けて最高のチームを組織し、経営に取り組みながら、最高の価値を提供し続けていくことを目指します」と岡本氏は話す

渡邉氏の退任に先立ち、2021年には「『やればできる』の記憶をつくる」というパーパスを策定。さらに、「“Bright Light for the Future” 人の可能性をひらく企業グループとなり輝く未来を実現する」を目指すビジョンとして掲げた。

「『やればできる』は、明光義塾の原風景です。諸外国と比較しても、日本の子どもたちは自己肯定感や自己効力感が低く未来に希望が抱きにくい現状があります。まずは勇気を持って一歩踏み出し、チャレンジすることが大切です。最初は失敗しても、バッターボックスに立ち続け、何度も挑戦すれば『やったらできた』と実感できるようになります。こうした体験を積み重ねる中で自信がつき、自立できるようになります。そして私たちは、子どもたちに限らずあらゆる世代の人々の可能性をひらき、自立を支援するという想いを、パーパスに込めています」。

また、パーパスには、社員もこれと同じような体験を通じて成長して欲しいという願いを込めているという。そして一人ひとりの社員が主体性を持って考え、イノベーションを起こし、新たな価値を創出できる人材になることを目指している。

「パーパスを策定した3年程前はコロナ禍でしたが、人材紹介・研修事業やデジタルマーケティング事業で社内発ベンチャーを立ち上げました。これらが成長し、黒字化を実現しました。子会社化した日本語学校についてもコロナ禍は難しい時期でしたが、現在は生徒が再び増加し、利益に貢献しています」。

「事業」と「ヒト」の両面から
大胆なTransitionを断行

2024年10月には、中期経営計画「『MEIKO Transition』~その先の100年企業をめざして~」(2025年8月期〜2027年8月期)を策定。この3年間を利益創出に向けた投資期間と位置づけ、現状の課題解決を図り、未来を切り開く成長基盤を構築するために「事業」と「ヒト」の両面から大胆なTransitionを断行する方針を示した。

Transitionとは、既存の体制や成功体験を刷新し、新しい価値の創造と未来の基盤構築を目指すプロセスを指す。「個別指導塾のパイオニアとしての成功体験が非常に大きいのですが、将来に向けてある意味、リセットして考えています。そしてイノベーションや新しい価値の創造に、果敢に挑戦していきます」と岡本氏は言う。

事業面では小学生から高校生までの子どもたちの自立を支援する教育事業会社から、幼児からシニアまであらゆる人々の可能性をひらき、そのライフステージに応じたより良い未来を実現する「総合的な人材支援グループ」へのTransitionを図る。そして新たな市場機会を積極的に捉え、パーパスやビジョンと親和性があり、社会課題を解決する事業を多数創出し、安定した収益基盤の構築を目指す。

「ヒト」の面でTransitionするのは、従来のやり方や考え方。グループの一人ひとりが新たな価値創造に果敢に挑戦し、パーパスとビジョンを体現できるようにする。そして一人ひとりがTransitionを図って自らの成長を実現すると共に、グループ全体の競争力を飛躍的に向上させていく。

「少子化が進み市場が縮小する中、社会課題を事業の機会と捉え、安定した利益を創出すると共に価値を発揮し、新たな成長の軸を作っていきたいです。そして事業ポートフォリオの進化や顧客層の拡大、行政、私立小学校、不動産デベロッパーなどとの協業を強化するアライアンス戦略も推進していきます」。

祖業の明光義塾では、コロナ禍を経て、生徒数が再び増加に転じている。大都市圏での展開だけでなく、人口減少が進む地域では、自治体とも連携して教室をひらき、地域間の教育機会の格差是正にも貢献する。今後も、47都道府県すべてで教室を展開している強みを活かし、学びのインフラとしての役割を担い、子どもたちが自立した未来を築くための支援を行う方針だ。

 

岡本 光太郎 (おかもと・こうたろう)
明光ネットワークジャパン 代表取締役社長