「できないこと」にポジティブな光をあて、生きやすい社会を生み出す
クラウンズ・インターナショナル最優秀賞、モンテカルロ国際クラウンフェスティバル銀賞など世界有数のコンテストでその実力を認められているロネとジージ。海外からのオファーは絶えないが、クラウン文化が浸透していない日本で生きるのは茨の道だった。それでもふたりは日本で「クラウン」として活動することにこだわり続けている。
文・油井なおみ
世界屈指のクラウンとして
日本に文化を根付かせたい
日本では「ピエロ」と混同されがちだが、欧米ではバレエやオペラなどと同様、ひとつの芸術として確立されている「クラウン」。
「『派手なメイクと衣装でジャグリングをする人』と思っている人が日本では多いと思いますが、欧米のコメディのできる俳優たちを見ると、クラウンのスキルを持って演じている方が大勢います。世界で一番有名なクラウンといえばチャップリン。日本でも人気の『ミスター・ビーン』もクラウンの型を基礎にして創られたコメディです」
「チャップリン・トリビュート」などと評され、世界屈指のクラウン・デュオとして活躍するロネ&ジージ。そのいわゆるボケ役を担うのがロネだ。
「クラウンに必要な技術はジャグリングのほかにもパントマイムやバレエ、タップなどのダンス、歌やアクロバットなどが知られますが、最も重要なのは、それらが演技として自然に組み込まれ表現されていることなんです」
ロネとジージはそれらに加え、様々な楽器を奏でて作詞作曲もこなし、さらには歌舞伎で使われる手法まで操る。鍛練された巧みな技をもってユーモア溢れる世界を表現しているのだ。
海外では総合芸術として人々の生活に浸透しているクラウンだが、日本では、ロネとジージがデビューした1990年から変わらず、未だに「クラウン」という名称すら浸透していない。
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