コーディネーターが官民共創に伴走 「TURNSプラットフォーム」

ローカルライフメディア「TURNS」を発行する第一プログレスは、2023年4月、自治体の課題と企業のソリューションをマッチングするサービス「TURNSプラットフォーム」を立ち上げる。長年地域と向き合ってきたTURNSが目指す官民共創プラットフォームとは?

第一プログレスはローカルライフメディア「TURNS」を雑誌・Webで展開

自治体と企業、双方と繋がる
TURNSならではの新サービス

東日本大震災後の2012年、地方における豊かな生き方を多くの若者に知って欲しいというコンセプトで創刊された「TURNS」。雑誌とWebのハイブリッドメディアとして地方の魅力や地方で働き、暮らし、関わり続けるためのヒントを発信してきた。

TURNSを発行するのは1994年設立の広告代理店、第一プログレス。代表取締役社長でTURNSプロデューサーも務める堀口正裕氏は「弊社ではクライアントのニーズや社会課題と自分たちのワクワクが一致するところで、さまざまなメディアを開発してきました。TURNSは、東日本大震災以降の若者たちの価値観の変化を受けて、人生の新しい選択肢を提案するメディアとして創刊しました」と話す。

堀口 正裕 第一プログレス代表取締役社長、
TURNSプロデューサー

創刊から10年以上が経ち、TURNSは地方や移住に関心がある人はもちろん、移住定住促進に取り組む自治体や、地方創生事業に取り組む企業にも広く認知されるメディアに成長した。第一プログレスは自治体等との連携事業にも取り組み、雑誌・Webでの情報発信だけでなく、イベントやスクール、現地ツアーなどを通した「場づくり」や、空き家対策など移住に関するサポートなどを幅広く提供している。

また、企業と自治体の共創の支援も数多く行ってきた。例えば宮崎県新富町では、第一プログレスが紹介した企業が、企業版ふるさと納税を実施、また地域活性化起業人制度を活用して社員を派遣するなど、町役場の内部から課題解決に取り組んでいる。千葉県一宮町では、不動産会社が開発したサーファー向け集合住宅の認知向上イベントを地元も巻き込んで実施、イベントを契機に移住者の獲得に成功した。

「特にコロナ禍以降、ウェルビーイング向上のために地方でリモートワークを実施したい、社員が培ったスキルを地域コミュニティに活かしたいなど、地方と繋がりたいと考える企業が増えています。また、自治体側でも関係人口創出やDX推進などの課題が深刻化しています。そこで、自治体の課題と企業のニーズの両方を知る私達だからこそ可能な新サービスとして、『TUR NSプラットフォーム』を立ち上げました」

専属コーディネーターが
マッチングから事業化まで伴走

「TURNSプラットフォーム」は、自治体の課題と企業の製品・サービスなどをマッチングする会員制サービス。自治体と企業をマッチングするWebプラットフォームはすでに複数存在しているが、TURNSプラットフォームの最大の特徴は、コーディネーターによるマッチングだ。

図 TURNSプラットフォームの仕組み

出典:原稿内容を元に編集部作成

「既存のマッチングサービスは、自治体への企業の営業ツールとして使われるケースが多く、自治体からは『課題解決に繋がらない商品・サービスばかり売り込まれて困る』という声をよく聞きます。その結果、登録自治体が増えず、なかなか共創も生まれない状態です。そこでTURNSプラットフォームでは、専属コーディネーターが自治体と企業の間に入り、双方のマッチングを支援します」

まず自治体は、プラットフォーム上にまち・ひと・しごと創生や脱炭素、DX推進などに関する地域課題を登録。課題は自治体名を匿名化された上で公開される。一方、企業側は地域課題解決に繋がるサービスや人材を登録。これらの情報をもとにコーディネーターがマッチング等を行う。

コーディネートサービスでは、地域テーマを学ぶイベントや地域レポートの提供、地域テーマを共有するワークショップ、地域テーマを体感するフィールドワーク、自治体と企業のマッチングコーディネート、事業化に向けた伴走支援を提供する。

TURNSプラットフォームでは、メディアやイベントを通した共創成果の発信まで支援する

TURNSプラットフォームのもうひとつの特徴が情報発信機能だ。TURNSのメディアやイベント、ツアー、動画・冊子化などをフル活用しながら、官民共創の成果やプロセスを発信していく。「マッチングして終わりではなく、メディアを使った発信まで伴走します。TURNSのメディアを優先して利用できるような会員サービスも検討していきます」。メディアを使った成果発信により、官民共創に期待を寄せる他の自治体や企業への横展開も図れるだろう。

なお、第一プログレスは、自治体の移住交流促進を支援する一般社団法人移住・交流推進機構(JOIN)に法人会員として参画し、堀口氏はJOINの要請により自治体への基調講演やJOINフェアでの移住交流啓発ステージイベントを担っている。今後JOINの様々な活動を通じて、TURNSプラットフォームを自治体や企業に訴求していく。

コーディネートサービスは有料オプションとなるが、会員登録自体は無料で、TURNSが実施してきた地域活性化の事例記事の閲覧やイベント、セミナーへの参加が可能になる。「会員登録することで、地域課題解決につながる緒を掴んで頂けたら嬉しいです。丁寧なコーディネートと情報発信によって、自治体と企業の双方に喜ばれるマッチングの実現を目指していきます」と堀口氏は意気込みを語った。

 

お問い合わせ先


株式会社第一プログレス
URL:https://turns-pf.jp/
電話:03-6269-9732
メール:platform@turns.jp
TURNS プラットフォーム担当宛

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