DXで変わる自治体の出産・子育て支援事業 デジタルギフトで子育て支援と業務改善を両立

ギフティは、eギフトの発行から流通まで一気通貫で提供する「eギフトプラットフォーム事業」を展開。近年は、そのサービスを出産・子育て支援策に活用する自治体が増えている。スマートフォンを使い慣れている子育て世代に好評で、自治体の業務効率化やコスト削減にもつながっている。

自治体の出産・子育て支援で
拡がるeギフトの活用

ギフティのeギフトプラットフォーム事業では、個人向けeギフト販売サービス「giftee®」、eギフトやチケットを発行・販売する「eGift System」、デジタルギフトを活用した法人・自治体向けサービス「giftee for Business」、自治体や地域の課題を解決するための「e街プラットフォーム®」の4サービスを提供している。

これらのサービスは近年、自治体による出産・子育て支援にも活用されている。東京都では2024年度、「とうきょうママパパ応援事業」を活用して出産・子育て支援策に取り組む都内の9自治体13事業で、「giftee for Business」が採択された。東京都福祉局子供・子育て支援部家庭支援課は、とうきょうママパパ応援事業で「すべての子育て家庭の状況を妊娠期から把握し、各家庭のニーズに応じた支援を切れ目なく行う区市町村を支援していく」としている。

「giftee for Business」を
3事業で導入した府中市

とうきょうママパパ応援事業の予算を活用し、実際に子育て支援に取り組む自治体の一つが東京都府中市だ。そして、同市の支援施策に、「giftee for Business」が採用された。

この施策は妊娠届出後面談した人を対象とする「基本育児パッケージ事業」のほか、1歳を迎える子どもを養育する家庭を対象とする「ファーストバースデーサポート事業」、多胎児を養育する家庭が対象の「多胎児家庭支援事業」の3つがある。

いずれの事業でも「giftee for Business」の「giftee Box®」を提供している。約1,000種類の商品の中から受け取り手が好きなデジタルギフトを選べ、かつ自治体ごとの仕様にカスタマイズできる。今回の施策では、ベビー・子ども用品やタクシーチケット、宅食などが3事業共通のラインナップとなっている。一方で、各事業の狙いに合わせて工夫も施した。例えば「基本育児パッケージ事業」では、外出が難しい妊娠時や出産直後も利用しやすいよう、ECサイトで使えるデジタルコードなどを盛り込んだ。また「ファーストバースデーサポート事業」では、子どもと遊び体験ができるようレジャー体験チケットが採用されている。

「ファーストバースデーサポート事業では、アンケート回答後、その場でギフトを受け取れる二次元コードを郵送でお届けし、他の2事業では看護職との面談の際にお渡しします。デジタル化で市民が従来よりも早くギフトを受け取れるようになり、より早く子育て支援に結びついているのが最大のメリットです」と同市子ども家庭部子ども家庭支援課の伊藤由美子氏は語る。また、面談で市民にその場で二次元コードを読み取ってもらうことで、喜んでもらえたことが表情でわかるほか、スマートフォンでの操作方法を直接案内できるのも利点だという。

府中市子ども家庭部子ども家庭支援課
伊藤 由美子氏(中央)、保健師 垂見 ゆり氏(左)、
課長補佐 藤川 光氏(右)

また、giftee for Businessの導入は職員の事務的負担の軽減にもつながっている。

「例えば、従来は贈呈の対象となる市民の方々に、紙のアンケートに回答し、郵送してもらっていました。このため、膨大な量のアンケート用紙の保管や回答の入力作業が発生していましたが、それらの負担が軽減されました。紙の金券の管理がないのも気をつかわずにすみました」(伊藤氏)

「e街プラットフォーム®」で
クーポンを電子化した松本市

一方、長野県松本市では2022年度から、子育て世帯の経済的・精神的負担の軽減を目的に、市内の様々な子育て支援サービスで使える8券種の「松本市子育て支援クーポン」を配布。2024年4月からはギフティの「e街プラットフォーム®」を採用し、クーポンを電子化した。

「子育て中の市民の利便性向上を目指し、クーポンを電子化しました。若い世代ではほとんどの人がスマートフォンを持っており、比較的導入しやすかったということもあります」と松本市総合戦略局DX推進本部次長の島村守氏は説明する。

府中市子ども家庭部子ども家庭支援課
松本市役所総合戦略局DX推進本部
次長 島村 守氏

新しい仕組みでは、クーポンを取得する人はまず市のLINE公式アカウントで必要なクーポンを申請し、シリアルコードを受け取る。その後は「松本市電子チケットポータル」に遷移し、初回登録を行った上でシリアルコードを入力し、クーポンを取得する。取得後の保存や利用も、ポータル内のマイページで行える。クーポンは託児や育児支援、家事支援などのサービスを提供する339事業所で利用できる。「松本市電子チケットポータル」は、ギフティが提供する「e街チケットポータル」を基盤としており、住民によるクーポンの一元管理も可能となった。

利用する市民からは「紙クーポンを持ち歩かなくても、スマートフォンに表示できるようになって便利」と評価されている。また、紙クーポンとは異なり、家族で共有できる点も好評だ。

「例えば、お母さんがクーポンを取得し、別の場所に住むおじいちゃんがお子さんを保育園に迎えに行く場合でも、おじいちゃんもスマートフォンを持っていてURLがわかればクーポンを共有できます」(島村氏)

一方、サービスを提供する事業所では、従来の紙クーポンで発生していた「受領・裏書・集計・保管・請求」といった煩雑な作業がなくなった。さらに、市では紙クーポンを保管したり数える作業がなくなり、業務が効率化されたという。

「他にも電子クーポンなら、印刷や郵送にかかる費用を削減できます。また今後、券種を増やす場合も、紙より対応しやすいと思います」(島村氏)

松本市電子チケットポータルのマイページでは、複数事業の電子クーポンを一元管理することもできる。市では今後、子育て支援にとどまらず、他の事業領域でもクーポンの電子化を進め、市民の利便性を高めていく方針だ。

 

「giftee for Business」の特徴
❶デジタルギフトを活用した法人・自治体向けサービス
❷デジタルギフトの提供から口座振り込み等の業務支援、効果測定まで事業全体を包括支援
❸官公庁の出産・子育て支援事業では、目的に沿った商品・サービスを利便性高く利用してもらうために導入。健康・環境ポイントの交換先や購入費補助など、様々な施策も支援

お問い合わせ
【giftee for Business】
メール:g4b_government@giftee.co
電話番号:03-6277-2606(代表)
サイト:https://is.gd/SwV8X4

「e街プラットフォーム®」の特徴
❶自治体や地域の課題を解決するデジタルプラットフォーム。テクノロジーで進化する社会に対応した「人と街」をつなぐデジタルソリューションを提供する
❷特定の地域内で利用できる電子商品券の発行・運用が可能
❸子育て支援事業をはじめとする様々な事業に展開が可能

お問い合わせ
【e街プラットフォーム®】
メール:rc-biz@giftee.co
電話番号:075-253-6577
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