アスエネ 二酸化炭素排出量の見える化から削減まで一気通貫で提供

アスエネは、クリーン電力サービス「アスエネ」と、CO2排出量見える化クラウドサービス「アスゼロ」を展開する企業だ。自治体がCO2排出量の見える化を行う意義と具体的な取り組み手法について、西和田浩平代表が事例とともに解説する。

西和田 浩平 アスエネ 代表取締役

大手企業との取引で算出が必須に
自治体は地域企業の脱炭素支援を

アスエネは2019年設立の再生可能エネルギー×テクノロジーを強みとするスタートアップ。再生可能エネルギー100%・地産地消のクリーン電力サービス「アスエネ」と、CO2排出量見える化のクラウドサービス「アスゼロ」の2つの事業を展開している。

なぜいまCO2の見える化が必要なのか。その意義について、アスエネ代表取締役CEOの西和田浩平氏はこう語る。「弊社は『次世代によりよい世界を』をミッションに事業を行っています。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書によると世界の平均気温が100年前と比べ約1度上がっていますが、昨年のCOP26の議論で、この気温上昇を1.5度までに抑えるアクションが叫ばれています。1.5度と2度での影響差は、大雨、干ばつ、海面上昇の規模が数倍変わるというデータがあるため、これからの10年においては、社会全体での脱炭素アクションが非常に重要です」

現在、東京証券取引所のコーポレートガバナンスコードの改定に伴い、日本の上場企業ではサステナビリティの取り組みが追加されている。今後、自治体向けの交付金・補助金においても、取り組みの有無によって評価が変わる可能性もありそうだ。

特に気を付けておきたいのが、サプライチェーン全体でCO2を測定・削減しようという流れがあることだ。大手企業の取引先としてサプライチェーンに組み込まれている地域の企業は、世界の潮流である脱炭素に乗り遅れることで、取引先から外れるリスクも想定しなければならず、自治体は地域全体の脱炭素を推進する立場としてリーダーシップを取る必要がある。

排出計算の前に目的設定を

一方で、「CO2排出量の見える化やその算定方法はややこしい。またどこまで計算したらいいかわからない」といった企業の悩みの声も多い。背景としては、企業、自治体ともに、排出量のデータの収集と算出に膨大な工数がかかるためだ。また、計算方法に関しても毎年マイナーアップデートがあるため、自力で行うには常に情報を追って整理しておく必要がある。

具体的なCO2排出量算定手法と削減手法について、まずサプライチェーン排出量を計算するためのScope(スコープ)という3つの指標がある。事業者自らによる温室効果ガスの「直接排出」を指すScope1、他社から共有された電気や熱の使用に伴う「間接排出」を指すScope2、そしてScope1、Scope2以外の上流から下流までの「サプライチェーン全カテゴリの間接排出」を指すScope3だ。例えばScope2の他社から共有された電気でCO2ゼロの再エネのメニューを購入すると、その排出量はゼロになる。

自治体においては算定対象範囲によって制度が変わってくるため、まず算出目的を決めることが重要だという。対象が1事業者なのか複数事業者なのか、あるいはその町全体なのか。また、Scope1-3のどこまでを算出するのか。Scope3については一つ一つのデータを計算するのは非常にハードルが上がってしまうため、全体の大まかなCO2排出を把握したうえで、排出量の多いカテゴリでより算出を精緻化していく方法が一般的だ。

「カテゴリの分類は既存の資料ではわかりにくいものが多いため、弊社でわかりやすい資料をご用意しておりますのでぜひご相談ください。また、せっかくそのCO2削減のアクションをしても、元々の排出量データがないと、そのアクションで減った分が計算されないという課題があります。そのためCO2排出原単位のデータを整えていくことは非常に重要ですが、海外に比べ日本ではまだまだデータが少ないため、我々も他社と連携しながらデータ整理を進めております」

ワンストップのCO2見える化
・削減ソリューション

アスエネが提供するCO2排出量見える化のクラウドサービス「アスゼロ」は、大きく3つの特徴を持つ。

1つ目は、サプライチェーン全体(Scope1-3)の排出量のデータ回収・算出を自動化し、業務工数を削減できる点。請求書やレシートをスキャンしてアップロードするだけで、自動入力と排出量の自動算定が行える。同社では、排出計算担当者の業務工数を最大70%削減できると試算している。

2つ目は、分析・報告の自動化だ。AIなどのテクノロジーを活用し、排出量の分析、CDP・省エネ法などへの報告もまるごと代行する。

3つ目はクリーン電力・クレジットなどワンストップで最適なCO2削減が実行できることだ。「太陽光発電や風力発電、ガソリン車のEVシフト、Jクレジットや非化石証書の発行など、ニーズに応じて最適な手法を提案します。CO2の見える化、クリーン電力、オフセット、これらをワンストップで提供できるところが弊社の強みです」

クリーン電力「アスエネ」と「アスゼロ」を併せて、企業・自治体の脱炭素化を全面的にサポート

自治体での事例に関しては、アスエネは現在、宮崎県新富町と地域全体の脱炭素に取り組んでいる。「新富町は町全体で脱炭素に取り組みたいという考えでした。特に農業に力を入れているため、農業分野でのCO2削減推進で地域ブランディングを図り、手法に関しても町全体の按分法やラフな計算から積上法に変えたいという課題感を持っていました。そこで新富町と地域商社のこゆ財団と連携して、新富町内の農家群に対してアスゼロ導入によるCO2可視化を行っており、サステナブルな地域づくりのために複数のCO2削減案を提案中です。最終的には自治体×農業の脱炭素ロールモデルを策定し、全国の自治体や農業法人に発信したいと考えております」

アスエネはワンストップサービスを通じて、CO2の見える化や地域の脱炭素化に取り組む自治体を強力に支援していく。

 

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アスエネ株式会社
TEL 050-3188-4866
E-mail info@asuene.com
https://earthene.com/

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