タンク、物流ソリューションの次 第3の事業の確立を目指す

物流倉庫や空港内部で荷物を運び、仕分けるシステムを中心とする物流ソリューション事業と、LNGタンクなどの大型タンクの建造を柱とするプラント事業の2事業を展開するトーヨーカネツ。グループの成長を加速する第3の柱となる事業確立、外部連携強化の方針も示した。

トーヨーカネツは、大型タンクやマテハン機器などの物流システムを手掛ける企業だ

2021年に創立80周年を迎えたトーヨーカネツは当初、軍需向けの工業用炉メーカーとして事業を伸ばしていく。1955年には「わが社は 常にすすんで よりよきものを造り 社会のために奉仕する」という社是の下、駐留軍向けボイラー製造で培った技術を転用し民生用タンクの製造をスタートするとともに、新たに建設工事用ベルトコンベヤの製造にも乗り出し現在の事業の萌芽が育っていくことになる。その後、原油タンクにLNGタンクを加え、大型LNGタンクではシェア10%以上を有する世界第2位のタンクメーカーとなった。また、建設工事用ベルトコンベヤは物流用にターゲットを変え、特に空港手荷物搬送システムでは国内の空港で8割超のシェアを占める。

トーヨーカネツ社長の大和田能史氏は「さまざまな分野に挑戦する中で得意分野を作り出し、時代の変化に合わせて社会課題を解決してきました」と話す。特にコロナ禍以降は巣ごもり需要の増加でECサイトの利用が増えたことで、物流センターにおける仕分け、ピッキング、搬送システムの設計からメンテナンスまでを一貫して担う物流ソリューション事業が大きく伸び、現在は物流ソリューション事業が主力事業に成長した。

水素、アンモニア貯蔵タンク
再エネ燃料普及の基盤に挑む

大和田 能史(トーヨーカネツ 代表取締役社長)

2022年4月に社長に就任した大和田氏は、5月に「グループ中期経営計画(2022~2024年度)をまとめた。策定に当たっては「前の中計で積み残した課題を改善していくといったそれまでの積み上げ式のやり方を改め、創立100周年も見据えながら2030年のあるべき姿を描き、そこからバックキャストしてこの3年間で何に取り組むべきかを考えました」と話す。その骨格をなすのが、2つの主力事業の進化と第3の事業の確立だ。

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