時事テーマから斬る自治体経営 「シティプロモーション」の注意点
2010年代に一気に注目され、多くの地方自治体が取り組むようになった「シティプロモーション」。しかし、どこの自治体も「子育て世代」という同じターゲットを狙っているため、その効果が出にくくなっているという。では、今後シティプロモーションに取り組む場合は、何に注意すべきなのだろうか。
今回は、筆者が実感しているシティプロモーションを進める際の注意点に言及する。なお、シティセールスという表現もあるが、シティプロモーションとほぼ同じ意味と考えられる。そこで「シティプロモーション」に統一する。
紋切り型のシティプロモーション
シティプロモーションを実施すると、多くの場合は3点セットを用意する。それはブランドメッセージ、ロゴマーク、プロモーション動画である(図表1)。まさに「紋切り型のシティプロモーション」である。数あるシティプロモーションの中で生き残っていくためには「差別化」が求められる。しかし実態は「模倣化」となっている。しかも、せっかく用意した3点セットが間違っていることが多い。紙幅の都合上、ブランドメッセージに関してのみ言及する。
図表1 シティプロモーションを進める3点セット
既存のブランドメッセージを確認すると、多くの場合は「自分たちが伝えたいこと」や「自分たちの強み」を凝縮し言語化している。例えば、「生活に喜び」や「人にやさしい」、「歴史のある」などが該当する。一見、正しいように思われるが、根本的な間違いをしている。ここには「メイン・ターゲット」という思考がない。
シティプロモーションを成功させるには、メイン・ターゲットを設定しなくてはいけない。そしてメイン・ターゲットだけに共感されるブランドメッセージを策定していく。そうすることにより、定住人口の増加や交流人口の拡大など、自治体が設定した政策目標が達成される。
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