共通課題をともに考え、築き合う場に スイス・日本の協創を進める

スイス・日本共通の課題解決に向け、「Vitality.Swiss」を推進する在日スイス大使館。「ヘルシーライフ」「持続可能な地球」「人間中心のイノベーション」の3つのテーマで大阪・関西万博に参加、パビリオン展示を行い、ゆたかな未来を築き合うプログラムを目指している。

聞き手 : 小宮信彦 事業構想大学院大学 特任教授、電通 ソリューション・デザイン局 シニア・イノベーション・ディレクター

小宮 「Vitality.Swiss」はどのようなプログラムなのでしょうか。

ジョナス・プルヴァ
在日スイス大使館 広報文化部長

プルヴァ スイスと日本が直面する共通の社会課題について、一緒に解決のシナリオを考えたいという思いから発足したプログラムが「Vitality.Swiss」です。スイスのスタートアップやアーティストが日本の企業や大学などのパートナーと協働して進めるプロジェクトが多くあります。

日本がスイスに抱くイメージとしては「ガバナンス」「自然美」「環境」「良いライフバランス」の4つが挙げられます。一方で私たちは「イノベーション」「サステナビリティ」「経済・金融」「カルチャー&クリエイティビティ」の4つをスイスの強みとして発信していきたいと考えています。また、日本とスイスは「デジタル化」「高齢化社会」「気候変動へのチャレンジ」という共通の課題を抱えています。スイスが発信したい強みと、共通課題をふまえて導き出された「Vitality.Swiss」のテーマが「持続可能な地球」「人間中心のイノベーション」そして「ヘルシーライフ」です。大阪・関西万博が開催される2025年までこのテーマを通じてゆたかな未来を築き合う機会を増やしていこうとしています。

スイス連邦工科大との協働
日本の伝統を生かす

小宮 具体的にどのような取り組みを進めているのでしょうか。

プルヴァ まちなかを会場として現代美術、パフォーミングアーツ、ラーニング・プログラムなどを広域で展開する国際芸術祭「あいち2022」(2022年7月30日~10月10日)では、スイス連邦工科大学(ETHチューリヒ)のグラマツィオ・コーラー・リサーチと東京大学のT_ADS 小渕祐介研究室が、新しい建築のあり方への協働プロジェクトを行いました。両者の建築物はともにロボットアシストによって造られ、小渕研究室による門は地元常滑産の陶器製チェーンがのれんのようにかかっており、梁に仕掛けられたノズルからミストが陶器に噴射されると冷却効果によって周囲の気温が5°C程度が下がるようになっています。

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