エグゼクティブ・プログラムでAIのスタートアップ企業を視察

AIのスタートアップ企業視察
生成AIのこれから

プロジェクト研究や各種プログラムでは、自身の事業構想にヒントを得るため、企業視察やフィールドワークの機会を設けている。11月17日、事業構想大学院大学にて次世代経営者を育成する「事業構想エグゼクティブ・プログラム」の参加者がAIのスタートアップ企業であるストックマークを視察し、ワークショップを行った。

冒頭に、ストックマーク代表取締役CEOの林達氏から、林氏の原体験から起業に至る背景、事業構想の発・着・想や実際のプロセスまで、具体的に共有された。自然言語処理AIが発展していく中で、ソフトウェアの領域では「ノーコード化」の流れが大きくなっていると強調。また「大規模言語モデルが得意とするのはコミュニケーション」とし、今後はコミュニケーションの領域でも業務を効率化できるのではないかと語った。これからのAIとヒトの関係性については「競争相手ではなく、共に学び進化していくことが大事」と提示した。

同社CMOの田中和生氏は、新規事業探索の際に多くの人がつまずきやすい要因について解説した。「新規事業を検討する際には、一般的には課題や解決策、顧客、競合などを検討し事業計画書にまとめ、PEST分析や3C分析も進める。しかし、『わからない』が起きるのはその後。有望領域であることはわかるが、全体感が掴めないケースが多い」と課題を提示。業界の直近の課題は何か、どんなサービスが必要か、今後の動向等を探るシステムとして「Astrategy」を開発したと話した。

その後、「Astrategy」を用いたワークショップを実施。田中氏のデモの元、キーワードに関連するトレンドや市場規模、関連事例、将来年表などをリサーチした。参加者からは「特定テーマの全体感を、関係者全員で確認できるようにしているのは大企業の業務や意思決定の課題を理解しているからこその発想」などの感想が寄せられた。

最先端企業や経営者を訪問する企業視察を通して、今後も研究員の知の探索を進めていく。

企業視察として、AIスタートアップ企業のストックマーク社を訪問した
(左 ストックマーク代表取締役CEO 林達氏、右 CMO 田中和生氏)

<研究員の声>

研究会で新しい発見を得て
実行可能な事業構想を策定

アルバック
生産本部 品質保証部 部長
(アルバック事業構想プロジェクト研究 修了生)

開始前に社内での説明を受け、今回のプロジェクト研究は「未来の経営者を育てること」が目的だと理解し、期待が高まっていました。事業構想を進めながら、新たな考え方や視点、広い視野や高い視座等を習得できる楽しみと、その後に見える景色を想像し、1年間のプロジェクト研究に臨みました。

これまでは机上の空論で構想を考えていましたが、研究会では教授陣の講義に加え、ゲスト講師の方々も実業に根ざした実体験の話が豊富で、常に新しい発見があり、毎回興味深く参加しました。また、発表会や壁打ちでは教員から多様なフィードバックをいただき、実行可能性の高い事業構想に形作っていくプロセスを学ぶことができました。

最終発表で社長に提案する機会がありましたが、これからの1年間で社内に発信しながら、事業構想の実現に向け、尽力していきたいと考えています。

九州の街全体を元気にする
エコタウン事業を自社の新しい柱に

大英産業
新規事業開発本部 部長
(福岡新規事業開発プロジェクト研究
(第3期)修了生)

新規事業を担当することになり、新規事業の構想を形にする方法を学びたいと考えていたところ、研究員募集を知りました。新規事業の専門家や、さまざまな分野のプロの方から学ぶことで、アイデア発想の考え方や、発・着・想、「これ面白いな」と思ったことをどう事業構想まで落とし込むのかを習得できると思い、参加を決意しました。

私が研究を通して考えた構想は、「北九州まるごとエコタウン」という事業です。北九州は元々工業で発展した街でしたが、公害などを生み出したことによって、現在は環境・エコに対して積極的な取組をしている企業が増えています。世界、日本国内から見ても北九州のもの・エコづくりに着目している方が多く、年間約57万人が北九州に来ています。この動きはまだまだ広げられるのではないかと思い、北九州全体の企業と一緒になって事業化していくことを目指しています。例えば、北九州へ企業視察に来た方へ、視察と同時に北九州の地元食と文化や観光体験ができるコンテンツの提供などを考え、社内での事業実現を推進していきます。

プロジェクト研究

プロジェクト研究は、事業構想大学院大学 修士課程のカリキュラムのエッセンスを活かし、研究参加者の新たな事業構想と事業計画構築を行う1年間の研究会です。

担当教授が1年間を通じて、多彩なゲストを招きつつコーディネートとファシリテーションを行い、研究員の知見を高めながら推進していきます。

プロジェクト研究 概要

研究会:定例研究会(1回4時間、隔週24回開催、共同研究会年6回)等

形式:テーマ型/一社型

目的:新規事業、既存事業の再構築、地域活性などの構想・構想計画構築

定員:10〜15名

主担当教員:事業経験豊富な実務家教員

事業構想セミナー

良品計画が取り組む「第二創業」
 “経営方針をいかに成功に結び付けるか”
 1月18日(木)15:30-17:30(リアル)

「自ら育つ」社員が組織を変革する
 1月19日(金)13:00-14:00(オンライン)

地域の新規事業を加速する金融機関の組織イノベーション
 1月23日(火)14:00-15:00(オンライン)

セミナー詳細・申込
こちらより