リンゴの甘い風味増加の仕組み解明 農研機構が貯蔵中のエチレン作用と品種差を明示

(※本記事は「JAcom 農業協同組合新聞」に2026年4月13日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

図1:エチレンが制御するリンゴのエチルエステル生成とその品種間差異
図1:エチレンが制御するリンゴのエチルエステル生成とその品種間差異

農研機構と青森県産業技術センターは、成熟・老化に伴って増加する植物ホルモンのエチレンが、通常の冷蔵貯蔵(好気条件) で貯蔵したリンゴにおいても、エタノールおよびエチルエステル類の増加を引き起こす新たなメカニズムを明らかにした。さらに、甘い香りが特徴の「王林」と、貯蔵後もさわやかな風味を保つ「シナノゴールド」の違いを、エチルエステル類の生成の違いという観点から説明した。同成果は、他のリンゴ品種やバナナなどのエチルエステル類を多く含む果実へと検証を広げることで、風味を生かした貯蔵・流通管理や高品質な農産物生産への展開が期待される。

果実の香りは、おいしさや品種の個性を決定づける重要な品質要素。リンゴの甘い香りの主要因であるエチルエステル類は、これまでは低酸素条件下で生成・蓄積されると考えられてきたが、研究グループは、好気条件でも、成熟・老化の進行に伴い増加することに着目。しかし、その生成メカニズムは不明だった。

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